2007年8月14日火曜日

オーストラリアレポート7:乗車券の自己管理


メルボルン市内は「トラム」という路面電車が、東京レベルまで行かないが、大阪レベルの密度でシティ(ダウンタウン)と郊外を結んでいる。
乗車するには、2時間券、1日券、1週間券などをあらかじめ商店やコンビニで買って乗るのだが、トラムに乗ったら小さな刻印器で自分で刻印をする。
その時間から2時間とか1日使える。ということは、刻印したふりして何もしなければ、2時間券で(発覚しなければ)いつまでも使えることになる。
高校生や地元の人を見ると、乗って何もせず、そして何もしないで降りて行く。多分定期券を持っているのだろうが、何も持っていなくても持っている振りしていればわからない。
時々検札はするのだろうが、基本的に顧客の自己管理、性善説で成り立っているようだ。

一般的に、日本は性善説、アングロサクソン系、あるいはアラブ系は性悪説、ということになっているが、公共の乗り物に関してはそうでも無い。
コペンハーゲンの空港から市内まで列車で往復したことがあるが、空港でチケットを買ったらそのまま改札など無しに列車に乗れる。コペンハーゲン駅についても改札無し。帰りも全く同じ。途中検札も無かった。これもチケット持っていなくてもズルすれば乗れてしまう。

ドイツのアッシャヘンブルグという田舎町から4人で列車に乗ろうとチケットを買ったら、4人分が1枚のチケットになっている。
ドイツはエコロジーに徹しているから、チケットの紙も節約するのだろう。
改札も無しに列車に乗り込み、6人はゆったりのボックスに座ってしばらくしたら女性の検察官がきた。
どうして我々のところにすぐに検札にきたのか不思議だったが、乗る時にこの女性がホームの左右を見ていたのを思い出した。

メルボルン空港に着いてレンタカー事務所で「シティリンクという有料の高速道路が市内を回っているが、その乗り放題チケット4日分はここで買える」というので、とりあえず買ったが、カードも何も無い。
「登録したので、何も無くていい」というので、何だかわからないままシティリンクを通ったが、ゲートも何も無い。買っても買わなくても同じなのだ。
スピード違反か何かでパトカーに捕まって、登録していないで走っていたら罰金でも取られるのかどうか知らないが、これも顧客の自主管理だ。
まあ、人工が少ないからこれでいいのかもしれないが、それにしても、こういう考え方の人がほとんどだと(ズルする人が少なければ)、コストはかなり安くなる。

日本はこのところずるい人がじゃんじゃん出て来ている。
その度にコストが上がる。
牛肉ミンチをごまかせば、高額のDNA鑑定が必要になる。
学校給食で、国産牛肉と輸入牛肉をごまかせば、その為の監査を多くのまじめな業者はやらなければならなくなる。
産地を偽装する業者が出て来れば、産地証明をする為のコストがかかるようになる。
ずるいヤツ、悪いヤツ、せこいヤツが出て来るたびにコストが上がる。何とかなりませんかねー。

0 件のコメント: