2008年11月27日木曜日

ベルリンフィル


子供達が小学校の頃、アバドのベルリンフィルで「子供のための第九」コンサートがNHKホールで開かれた。
なんと一人5千円。
大人も入れないのかな? と案内を見たら、大人は確か5万円ほどだった。
そうだろーなー、普通ならそんなもんだ。子供二人なら1万円、それに親二人が加わるとプラス10万円。
あきらめて、子供達のだけ申し込んだ。
演奏中、私は近くの寒くてまずいレストランで待っていて、風邪ひいた。

演奏が終わり、外で待っていたら、子供達は目を輝かせて「すごかった!」と出て来た。
どの程度分かったか不明だが、興奮して出て来たのはいいことだ。

夏過ぎだったか、サントリーホールで、サイモン・ラトルのベルリンフィルコンサートがあるというので、飛びついて申し込んだら、奇跡的に取れた。

演奏会の2日前、予習として、メンバーへのオーディションを通じて演奏者の横顔に迫ったドキュメンタリー映画「ベルリン・フィル 最高のハーモニーを求めて」を観たら、「ソリストになってはいけない、ソリストになったのは出て行った」「協調しなければいけない」といった考え方がよく分かった。

さて、楽しみにしていた公演。
曲はブラームスの交響曲1番と2番。
1番は有名で、私も大好きで今までいったい何回聞いたことか、面と向かって50回以上聴いているかもしれない。
2番は初めて。演奏されることもあまりないようだ。しかし聴いてみるととてもきれいな曲。変化もあって面白い。この曲が有名になっていないのは、メロディーが単純じゃないからかな?
ベルリンフィルの音は、底力があるのにやわらかだ。
ハーモニーという言葉がぴったり。
大喝采でコンサートは終了。

このコンサートのお客さんは、クラシックが自然に生活の中に入っているような皆さんが多いようだ。「ベルリンフィルいくぞー」というような構えた客はあまりいなくて、落ち着いた雰囲気だった。

2008年11月26日水曜日

もぐらのヌーボー



野辺地から青森で一泊し、翌朝羽田経由で出雲空港、最近すっかり気に入ったプリウスをレンタカーし、出雲大社お参り、松江市内のホテルにチェックインして、いつもの料理屋「いと賀」に入ってビールをグ〜〜〜っとやり、落ち着いた。

さて、それでは今日のビールの次、何かおすすめは?
大将「それでは、もぐらのヌーボー」
「もぐら」という焼酎の出来立てのをわずかだけボトリングしたもので、ほんの少し、親しい所にだけ出荷しているものだそうだ。
ラベルの上に斜めの襷ラベルがあり「できたてほやほや2008」
薬瓶のようなボトル。
香りすっきり、透明な味の焼酎。

という所に、うまそうな刺身が出て来た。

2008年11月25日火曜日

黒霧と赤霧



野辺地の料理屋で「珍しい焼酎があるんです」と言って出してきたのは「赤霧島」
これは宮崎県都城市にある霧島酒造の製品で、一般的には「黒霧島」で有名だが、赤いのもあるのだ。
瓶のデザインは、赤霧島の方が安っぽい。
しかし、赤霧島の方が高級だという。

お湯割りで両方飲んでみたら、違いは分からない、同じ。

そこで、目隠しテストをしてみた。
カウンターの裏に隠してもらい、グラスに入れて並べて出してもらい、飲んでみた。

1つを飲んだら、普通の焼酎で、特別なものではない。
もう一つを飲んだら、まろやかで、豊かな香り、全然違う。
「こっちのが全然うまいよ」と言ったら、赤霧島だった。

おいしい焼酎は、そのままかロックで飲むのがやはりいいね。

2008年11月20日木曜日

鯨のトレーサビリティ




鯨のベーコンが出て来た。
すごい厚切り。
密度があるしゃきっとした脂だ。
「おかわり」

こういうのは元がどうなっているのか見たい。
ずっしりと雄大な脂身だ。

「こんなのが付いていますよ」
と出してきてくれたのは、この鯨の由来証明書。
トレーサビリティだ。
ミンククジラ、捕獲の日時と場所で岩手県田野畑村、大型定置網、6.8メートルのメス、乳分泌無し、胎児無し、写真記録、第三者による確認者名、捕獲時の状況は死亡、処理の区分は販売、そして宅急便で田野畑村から日本魚類研究所の鮎川実験所に送られている。
要するに定置網にかかってしまった死亡した鯨があがり、宅急便で研究所に送られ、販売処理され、それがこの寿司店に来たわけだ。

2008年11月19日水曜日

蒸しアワビ




少なめの汁の中で何かがぎっしりと蒸されている。
楕円形だ。
そ、そ、それはアワビではないか?
「はい、今蒸し上がりました」
く、く、ください!!

まな板の上でスライスされ、出て来た蒸しアワビは、ぬめぬめと怪しげに光っている。
みっちりなのに軟らかい。
生だとあらあらしいこりこりのアワビも、加熱されると色男に変身するな。

2008年11月18日火曜日

一切れづつ




盛岡でいく寿司は「横綱寿司
この店は、つまみを一切れづつ出してくれる。
今日出て来たのは、マグロの赤身、トロ、シャキシャキのホタテ、しっとりのヒラメ、とろりのイカ、しめ鯖。
これに冷えたシャブリ。

巨大な椎茸があるが、これは盛岡で最高品質の椎茸を生産している農家から取り寄せた規格外品。形が悪いだけで、味は関係ない。スマートな仕入れだ。
焼いて出て来た椎茸は、肉厚で、椎茸ステーキ。

今日は大将が奥でごそごそやっていてなかなか出て来なかったが、やっと出て来たら「大仕事していたのででれなかった」
大仕事とは、アラの煮付け。
アラはあの高級魚。
種類はクエ。
そこで駄洒落「アラ、クエ(食え)」
煮付けといっても、京風の薄味で、東北とは思えない雅な味。

2008年11月17日月曜日

銀座の有機旅館






銀座で唯一の旅館、といわれるのが二丁目にある「お宿吉水
外から見たらわからないが、部屋に入ると、珪藻土の塗り壁、無農薬畳、孟宗竹の床、竹枠の障子、紙布の天井、丹後大宮町の桧、信楽焼の手水鉢、杉板のスイッチ板など、徹底した有機の固まり。
布団とシーツ、枕とカバーは、自分で巻いて寝る。

食事も有機食材。
朝食は、五穀ご飯、有機味噌汁、里芋、ほうれん草、ちょっと加熱してまだ芯があるシャキシャキのカボチャ。
夕食だけも食べられるので、ここで宴会したこともある。

銀座二丁目の有機隠れ旅館は、京都にもある。
京都もコンセプトは同じで、円山公園の上に、ひっそりとあり、地元タクシーも知らない人がいる。

銀座、京都で隠れたい人はどうぞ。

2008年11月13日木曜日

野辺地の紅葉



野辺地にはビジネスホテルはなくて、温泉しか無い。
そこで、仕事で泊めてもらうとき、ゆったりとした温泉になる。
まかど温泉富士屋ホテル
ミーティングが変更になり、ぽっかり空いた午前中、散歩と温泉でゆっくりすることにした。
ここの温泉は大きく広くゆったりとしている。
脱衣して戸を開けたとたん、濃密な温泉の臭いと蒸気が満ちている。
露天風呂に行ったら、紅葉の下、豊富に湯が吹き出ている。

昨晩は町の料理屋で超肉厚の野辺地湾産カレイの煮付け。
なぜ野辺地湾のカレイはこんなに太っているのか聞いたら、野辺地はホタテなど、養殖をかなりやっているので、その餌の影響で栄養が豊富なんだろうと言うこと。
そのため、湾での釣り船もあり、大きな鯛もよく釣れるそうだ。
養殖のおこぼれがグルメと釣り人にもあるわけだ。
野辺地はいろいろ豊かだな。

2008年11月11日火曜日

銀座二丁目の隠れ家






銀座二丁目、ビルの間に忽然と洗われるどっしりした古風建物。
昔酒屋だったが、その酒屋の名前をそのまま、その酒も店の酒として出す居酒屋だ。
秩父錦
太い柱、分厚いカウンター、つや光りしているテーブル。
メニューは五百円程度のものいろいろから。

江戸名物、ドジョウの唐揚げ。
苦みのあるドジョウを久しぶりに食べた。
ホッケを頼んでみたら、なんとまあ太ったというか厚い身というか……

薩摩揚げは、店で練り、揚げ立てを持って来たので、ピンポン球みたいに丸々と膨らんでいる。
この店、銀座の隠れ家にしよう。

2008年11月10日月曜日

歌舞伎座とブータンノワール




銀座で三日間のセミナーがあり、1日目が終わってから、しばらくしたら改築になる歌舞伎座を見に行った。
この歌舞伎座は、若い人には席が狭く、膝が前の座席にくっつきそうだ。エスカレーターもないので、3階席や、天井桟敷にいくのにお年寄りは大変だ。
しかし、正面から見たこの貫禄。無くなってしまうのは惜しいねー。
新しくできるのは、この偉容を、継承するのかな?

歌舞伎座の右横の路地を入っていったところに、時々行く小さなレストランがある。
カーヴドウヴィーニュ 03-3549-6181
最初に頼むのはなんと言ってもブータンノワール。
英語で言えばブラッドソーセージ。血のソーセージだ。
血を混ぜて作ったソーセージで、色はすごいが、これ一度食べたらファンになる。
この店は、スプーンに一切れ乗せて100円。
いつも2つ頼む。200円のイントロつまみ。
これでビールをぐーっとやり、さて、今日のアペタイザーは? 魚は?となる。
今日の刺身には、シャコとウニが乗っかってた。

2008年11月6日木曜日

炭焼き網



肉を炭火で焼くと、遠赤外線効果もあり、おいしさ一段と引き出せる。
焼き網は真っ平らなのが当たり前だが、高品質の網は中央をふくらませてある。
平らの網だと中央部が焼けすぎるが、ふくらませてあるとどこにおいても均一に焼ける。
おまけに美しい。

神社仏閣の屋根は、屋根の端が反り上がっている。
なぜ反り上がっているか?
機能がいいのか、効果があるのか?
有名な宮大工が、何十年も仕事をしているあいだ、これがなぜなのかずっと考えていて、歳になり、円熟してからわかったという。
性能でも機能でもない、美しいからだ。

焼き網まで美しくする感性、うれしいねー。

2008年11月5日水曜日

松島の牡蠣フライ



白身の刺身の横に、菊花がたっぷり添えてある。
ここの菊花は自家製で、採ったばかりのを、お酢を入れた湯でさっと湯がく。
そうするとしゃっきとして、色鮮やかに出来るそうだ。
どうです、このきれいな色!
色をおいしさの重要な要素にするのは日本だけかな?
他の国も多少はそういうことはあるけど、日本ほど重要視していないな。

秋は虫の音がきれいで、それを聞きながら秋の花を食べるなんて、日本人でよかったなー。
欧米で虫の音の話をするとこんな情緒は全く無くて「虫、うるさいねー」なんてことになる。つまらない人生だなー。

「松島の例の牡蠣が入りましたので、今晩はフライにします」
「例の牡蠣」とは。
松島湾は牡蠣の産地だが、その中でも二カ所だけ、河が勢いよく海に流れ込んでいる場所があり、そこの牡蠣は特別すばらしい。この牡蠣が入ったのだ。
陸のミネラルをたっぷり含んだ水が海に入り込むところに、おいしいのが出来る。
大分の城下カレイ、北海道は襟裳の昆布などがそうだ。
大分のは、わき水になって海底から出ている。

さっと出て来た牡蠣の大きさに驚愕。
でっかいなー!!
こういうのは、ソース付けないで、レモンをちょっとかけ、醤油をわずかに垂らしてがぶりといく。
ミネラルが口の中いっぱい!