2007年8月10日金曜日

オーストラリアレポート4:グラスフェッドビーフのマーケット



20年近く前、オーガニックのグラスフェッドビーフを日本に入れられないかやってみたことがあるが、うまくいかなかった。
理由は「サーロインの大きさが小さい」「色が浅い」「形が揃っていない」「硬い」「草臭い」といったところで、バイヤー段階でストップしてしまった。
BSEなど無かったので、安全性といった利点は検討されなかったのだが、消費者への試食提案までも持って行けなかった。
その頃私はオーストラリアとニュージーランドにしょっちゅう行っていて、グラスフェッドビーフのおいしさに十分に堪能していた為、日本側のこの反応にはがっかりした。
形が揃っていないというのは、日本の今も全く同じだ。肉、野菜、魚、全て工業製品では無いのだから、形は揃わない。それを流通の槍やすやさ、販売の規格統一といったところから、無理に揃えようとすると、ロス、選別で、価格は高くなる。
硬い、草臭いといったのは、熟成していないからだ。熟成させれば、軟らかく、おいしくなる。とはいっても、和牛のような軟らかさにはもちろん絶対ならないが、脂がないため、さっぱりした、適度な軟らかさにはなる。
そして、今、オーストラリア、ニュージーランドのグラスフェッドビーフには、BSEフリー、オーガニック対応、ナチュラル、自然、安全、といったキーワードがたくさん付いてくる。
型は揃わず、色も浅いが、熟成させれば、ナチュラルで安全でヘルシーな牛肉、という、実に今の消費者ニーズにあったものを持っている。

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