2013年1月29日火曜日

白レバー


 釧路は、寒いのでは無く、鋭い痛さの冷気。
毛糸の帽子をしっかり被り、集合したのは「あぶりや
刺身だ焼き魚だのを頼んでガヤガヤやりながらメニューを詳細に見ていると「白レバー」がある。
フォアグラの鶏版だ。
フォアグラの歴史は團伊玖磨の作曲家の旅エッセイ「九つの空」に詳しく、フォアグラとトリュフの出会いがこの食材を世界に定着させる原動力だったようだ。
白レバーは、鶏の脂肪肝で、レバーの臭みを無くしてクリームのようにトロ化した味。
滑らかな脂肪たっぷりで、寒さから体を脂肪で守れるね。

翌朝の釧路川は快晴で、冷たい風が気持ちいい。



2013年1月24日木曜日

冬のハモ

京都でハモは初夏から初秋だが、ハモは常に海に居る。
広島でハモは高級魚では無く庶民の魚で、骨切りなどしないで焼き、骨をぺっぺっと吐き出しながら食べていたと聞いた。
京都の「志る幸」で、ハモの焼き霜があった。
骨切りしたハモの表面をさっと焦がして香りを付けてある。

そのあと散々いろいろグズグズ食べ、仕上げににゅうめんを頼んだら、これにもハモが入っていた。
京都の冬にハモ三昧。

2013年1月23日水曜日

ブリ大根の軟骨

ブリと大根という最高のコラボはブリ大根。
金沢の本場物のブリ、それも頭を使ったブリ大根。
でっかいのが来たので、まずは目の回りをすすると、トロリとした透明のゼラチンが糸を引いた。
そして軟骨部分を探り出し、コリコリ齧る。
牛も豚も鶏も、そしてブリの軟骨も、美味しいねえ。

2013年1月20日日曜日

1208ロンドン26:世界一美味しい街ロンドン

今まで行った海外の都市の中で最も美味しいものが集まっているのはロンドンだ。
10年前にこれを言ったら誰でも冗談だろうといっただろう。
今でも信じる人は少ない。
しかし、間違いなく美味しいものたくさんの街だ。
ロンドンには元々美味しいものが集まっていた。数十年前までイギリスは世界中に領土を持っていた時代があり、それらの国の料理はロンドンに集まっていた。インド料理なんかその代表。
しかし、美味しいものが好きな人は庶民の間には出てこなかっただろうから、海外の人々や旅行者には目立たず、美味しいものが無い国となっていたのだろう。
それが急速に変り、一般市場に美味しいものが出回り、更にオリンピックでイギリス産の食料を使う活動に徹底された。
ジェイミー・オリバーの活動で、体に良い食材と料理に気が付いた。
ヨーロッパ全土で「Bio ビオ〔オーガニック〕」のブームになり、ロンドンもその流れに乗った。
 テレビを見ていると料理や食材に関する番組がずいぶんある。
イギリス人が料理の鉄人みたいな料理番組で「う〜〜ん、これはどうのこうの」と批評しているのなんか、信じられないかもしれないが、たくさんあるのだ。

世界一美味しい街ロンドン。
2012年のロンドン滞在は終了。
(2012年8月記)

2013年1月17日木曜日

香箱蟹

北陸の冬でもう一つ名物は香箱蟹。
この蟹は大きめの拳といったところで、身を出すのが面倒。
しかし子持ちともあるのでやっぱり食べたい。
どうしようかと相談したら「身を出してありますよ」
 卵も身も、きれいに出してある。
こうなると、早く食べちゃうのがもったいない。
そこでひれ酒を注文し、チビチビすすりながら時間をかけて楽しむ。
途中口の中をさっぱりしたいので、加賀野菜の蕪を「刺身でくれますか」
きれいに透き通った、花びらのような蕪のスライスが来た。
回りの紫が覆いかぶさったスライスからも透けて見える。


2013年1月16日水曜日

1208ロンドン25:時の大元

 世界時間の起点はグリニッジ。
ロンドン市内からモノレールのような新交通システムで20分ほど。
カティサーク号の展示場所に駅が出来ている。


 ティークリッパー「カティサーク号」かっこいいね!
これで東洋から英国まで紅茶を輸送していたのだ。
鮮度維持のスピード目的なのか、船体は細くスマート。
 ここから丘を20分ほど登ると旧グリニッジ天文台。
天文台だから当たり前だけど、ロンドン市内の眺め最高。
世界時間の起点を跨いで撮影。
右足がアジア、左足がアメリカ大陸。

時の旅で今年のロンドン終了。
(2012年8月記)


2013年1月15日火曜日

1208ロンドン24:由緒正しいポークチャップ

 正しいポークチャップは、
皮付き
骨付き
厚切り
でなければならない。
ホールフーズで買って来たポークチャップはまさに由緒正しい。

トレイパックのフィルムを外して、じっくり眺める。
焼き印が皮に付いたまま。
う〜〜ん 迫力たっぷり

 肉の表面に塩コショウをし、ひっくり返してフライパンに乗せる。
じゅう〜〜〜!!
上になった面に塩コショウをする。
焦げ目がついたら肉をひっくり返す。
反対側に焦げ目がついたら蓋をして弱火で蒸し焼き。
しばらく放っておけば出来上がり。
皿に移し、フライパンに残っている肉汁と脂を肉に全部かける。
熱いうちにフライパンを洗っちゃう。
焼き上がったチャップを食卓に乗せて、しばらく眺める。
肉の表面に脂がてらてらと光っている。
ため息!! 鼻息!!
 ショートロイン部分を骨から外し、皮に直角に薄くスライス。
柚子胡椒醤油で。
赤身部分と、脂肪と、皮が、絶妙のバランス。
ゆっくり噛みしめると美味しさがにじみ出て来る。


幸せに浸っていると、着々と無くなって行く。
冷えた地元ビール「ロンドンプライド」をぐびり。
一息ついて、次の一切れに進む。
正しいポークチャップは小さくなり、無くなっていった。
(2012年8月記)

2013年1月10日木曜日

寒ブリ

冬、北陸に行って「マグロ」なんて言ったら「なんだこいつは、どこから来たんだ?」となる。金沢の「五郎八」は数年前に偶然見付けた美味しい居酒屋。店に入って今日のお勧めを眺めたら「天然寒ブリ」がある。1人なので量を聞いたらかなりあるというので「すみませんが半分ほど……」いい店はわがままも聞いてくれるからうれしい。とは言っても、来たのはスライスというよりも、ステーキのような超厚切り。それを更に一口大にカットしてあるので、角切り。寒ブリのサイコロカットだな。新鮮、プリプリ、味みっしり濃い。

2013年1月8日火曜日

1208ロンドン23:サンドイッチの盛り付け

 こっち来て色々なサンドイッチに出会ったが、カフェなどで提供されるサンドイッチの盛り付けとボリュームは見事だ。
ケンジントン・チャーチストリート沿いにある小さなカフェで出て来たサンドイッチプレートなんか代表的なもの。
サンドイッチの開発者の皆さん、一度是非ロンドン視察をされたらどうでしょうか。どこに行っても勉強になると思います。
 ロンドンに来た時タワーブリッジには五輪がぶら下がっていたが、8/22近くを通ったら撤去されていた。パラリンピックには使わないようだ。
空は秋の空。
オリンピックが終わって十日経ち、ロンドンは平常に戻ったようだ。
(2012年8月記)

2013年1月7日月曜日

唐芥子の唐揚げ


宇都宮の居酒屋「」で「唐芥子の唐揚げ」というのがあった。

栃木は唐芥子の産地だが、辛いという声を聞く。
唐芥子は辛いの当たり前だが、ある時栃木県産の唐芥子を本場韓国に輸出したら、辛くてダメで返品になったという。
そんな辛いのを唐揚げにしたらいったいどうなってしまうのか……
しかし、体験しないと収まらない。

ザルに乗って出て来たのは、唐芥子を粗く刻んで揚げたもの。
真っ赤な、いかにも辛そう。
でも、食べたらそうでもない。
唐芥子の香りがあり、ブツブツ言いながら、結局1人で全部食べてしまった。
宇都宮行ったら、体験出来ます。

2013年1月6日日曜日

茶漉しでオーパスワン


「もらったんだけど、ワインの分かる人と飲もうと思ってとっておいた」
と、取り出してきたボトルを包んでいる白い包装紙から透けてラベルが見えた。
「あ〜〜〜!! オーパスワンだ!」
1998年のビンテージ。
こんなのレストランで頼んだらン万円取られるし、頼むことはないだろう。
自分で金払って飲めるもんじゃない。
ラッキー!!

しかし……
コルクに栓抜きを入れ始めたら、ズルッと滑り出した。
ン、ン、これは……
栓の状態が悪いので、ダメになっているかもしれないと予告して、抜こうとしたら、コルクが途中で割れ、半分ボトルの中に残ってしまった。

こういうことは何回かあったので、慌てず、騒がず、よだれを垂らしながら「大きな丼のような容器と茶漉し持って来て」
ボールペンで折れ残ってしまったコルクを押し入れたら、ぽちゃんと数滴のワインが飛び出た。
ボールペンの先でとんとんと浮いているコルクの残骸を横にして中のワインを出しやすくした。
そこにガラスのポットと紅茶の茶漉しが来た。
ポットの上に茶漉しを置いてワインを注ぐと、コルクのクズが茶漉しで漉されて、しっとりと濃い赤ワインがポットにドボドボと落ちて行った。

ポットからグラスに少し注いで口に含んだら、このコルクの状態だったのに、さすがオーパスワン、ほとんど傷んでいないようだ。
どっしりしたワインだ、すごい!!

2013年は、茶漉しのオーパスワンから始まった。