2009年8月31日月曜日

09パリ-17:コーニッシュゲームヘン






今晩は焼き鳥にしようと、勝手に「焼き鳥屋」と名付けた近所のロティサリーチキン(炙り焼きのチキン)を店頭で焼いている店で、コーニッシュゲームヘンを買ってきた。
コーニッシュゲームヘンは小形の地鶏で、ウズラとチキンの間ぐらいの大きさ。
それに豚肉も食べたくて、骨付きポークチャップも1枚。
フランスは豚肉が美味い。
前菜として、有機の餌で養殖したBioのスモークサーモン。
近所に「biocoop」という店があり、ここにはBio食材がそろっている。日本で言えば「ナチュラルハウス」みたいなものかな。

今日の一番はやっぱり豚肉だった。

2009年8月27日木曜日

09パリ-16:歌声居酒屋






怠惰な毎日にすっかりなじみ、遅く起きたらいい天気。
「シャルトルのブルーは晴天の午後に行け」と聞いていたので、それではこれから。
モンマルトル駅から列車でレースで有名なル・マンに行く途中、70分ほどでシャルトルという古い町があり、大聖堂のステンドグラスが晴天だと素晴らしく、特にブルーの色がすごい。
この色は、青空の色が背景になるのだろうが、赤や他の色も、このブルーを引き立たせるように出来ているようだ。

夕方早めに帰り、先日昼寝で見損なった古い教会のピアノコンサートに行き、さて何を食うかと教会の隣のブロックになる大混乱状態のカフェ街の中から、これにしようかとインサイドに入ったら、朗々とアベマリアが歌われている。
歓楽街の一角、小さな扉を開けたらオペラに出会った。
状況を転じれば、地獄で仏だな。

これはいったいどういう事かと、普段着の20代の女性の歌に聴き惚れ、ボーッとしていたら歌い終わり、割れるような拍手。
そして、彼女は客席に行って座った。
家族と来ていた客だった!

へえ〜〜〜! とびっくりしていたら、今度はピアノの横に、会計係のように座っていたおばあさんがさっと立ち、ソプラノでアリアを歌い出した。
おばあさんが座っていた小さなテーブルには、飲みかけのワイングラス。
その横のピアノの横にも同じくワイン。
みんな飲みながらやっている。
いったいどういう店なんだろうか。

とりあえずビールを頼み、豚のステーキを頼んでいる間に、今度は奥のバーにいた30代の赤シャツ男が、おばあさんと掛け合いの二重唱を始めた。
最初のアベマリアは客だと分かったが、このおばあさんと男は、いったん誰だろうと、次から次に出て来るプロ級の歌を聴きながら様子を見ていたら、おばあさんはどうもここの名物オーナーで、赤シャツは従業員。
そんなことしている間、ピアニストが代わり、曲はオペラになり、ビートルズになり、音楽の世界を走り回り、もしかするとおばあさんの息子さんもしれないこの店のご主人、ヨタヨタ歩きで酒を運びながら歌い出した。

ピアノの調律は悪く、扇風機はカバー無く半分壊れ、横の客はキャーキャー騒いでいるが、曲は相変わらずシャンソンになったりミュージカルになったり。
大喧噪狂騒の中、休む間もなく曲は踊り続けている。
パリの下町の大騒ぎ。
拍手で応援し、店のスタッフは乗りまくり、ワインはじゃんじゃん無くなり、声は枯れ、眼が見えなくなり、気が付いたら午前1時だった。
この店、朝の5時までやっている。
こんな所に迷い込んじゃうのもパリなんだな〜〜〜!

明日もまた行こうか……

2009年8月26日水曜日

09パリ-15:11.6%のビール




アルコール度11.6%のビールを見付けて買ってきた。
オランダの「アムステルダム」
ワインが15%程度だから、これはワインに近い度数だ。
濃いビール色。

飲んだら、なんだかわからなかった。
ちっとも美味しくない。
ビールらしくない。
ワインでもない。
甘くてこってりしたビールだ。
美味しくないはずはない、これは貴重なビールなんだと、気を引き締めて再び飲んだが、体が受け付けない。
3回挑戦しても駄目、慣れない、生理的に拒否。
だめだこりゃ!
中途半端は駄目だよ!
ビーならビール、ワインならワインと、けじめを付けなくちゃ!
あきらめた。

小さなチーズ屋でハムを何種類か売っていたので、スネに近い部分が少し残っているのから3枚スライスしてもらった。
パッケージを開けたら豪勢な香りなので、2枚食べちゃえ!
一口食べたら天国もののおいしさ。
パンを小さくちぎり、ハム一切れとBioの葉っぱちょっと乗せてパク!
さっきの退廃的11.6%ビールの残り潔く捨てて、すぐにワイン。
結局3枚全部すぐに無くなった。

2009年8月25日火曜日

09パリ-14:哀愁のカルメン






「パリスコープ」にオペラの項目があり、東のネーションという地区にある小さな劇場で「カルメン」をやっている。
値段は25ユーロで、どんなカルメン?

劇場に入ったら、だいぶ疲れたピアノが1台。
私も含めて、お上りさんと思われる客は40名ほどだが、どうして」かな?
30代の手ぶらの郵便配達人のようなピアニストが、前奏曲を弾き始めた。
調律していないおじいさんピアノ。
幕が開いたらドン・ホセが一人、そこにカルメンが登場。
カルメンは40代ほどのおばさんで、ちょっと歳が……
わびしく、カルメンが始まった。
旅芸人の小屋芝居。
とは言っても、ソプラノ、アルト、テノール、バスの4名は、真剣。
力一杯の演技と歌唱、役になりきっている。

街角のカルメンは、登場人物4、ピアノ1、演出1、チケット販売1、会場案内1、合計8名の劇団で、哀愁と情緒こもって終了した。

帰って今晩はBioマーケットで買ったBioポークチョップのステーキ。
土の力一杯の野菜を一緒にフライパンで焼き、ミネラルも補給。
缶ビールの一本が冷蔵庫の背壁に当たっていたので、半分凍ってしまったが、アルコール度が高いので、おいしさ損なっていなかった。

2009年8月23日日曜日

09パリ-13:ムール貝鍋





もう帰国して、仕事初めてますが、溜まった分続けます。

カフェの壁にムール貝の特別メニュー。
御飯を炊く釜のようなのがドシンと置かれ、蓋を開けたら大量のムール貝。
ぎゃ〜〜〜! なんでこんなに持ってくるんだ!
アサリとシジミの間ぐらいの小さなムール貝。
ムール貝の食べ方は、1個食べたらそれを鉗子のようにして次の貝の身をつまみ取る。
蟹と同じでこういうのは食べ出すと寡黙になり、止まらなくなる。

黙々と食べ続ける。
まるで労働だな。
小さいが、ジューシーで軟らかく美味しい。
なかなか減らないと思ったが、次第に半分になり、少し残そうかなと思うが、半分の半分になると更にスピードが上がっていく。
やったぁ〜〜〜!

ムール貝で腹一杯になったの初めて。

2009年8月20日木曜日

09パリ-12:ゴミ処理





東京の町中には、駅を除いてくず入れがすっかり無くなってしまった。
我が家の側の井の頭公園には全くゴミ箱がないが、他の公園でも同じなんだろう。
くず入れがなければゴミを捨てないだろう、ゴミが少なくなるだろう、という発想?

パリの町中は歩道に小さなくず入れがぶら下がっている。
大きな交差点には、巨大なカボチャのようなのが置いてあり、これはボトルや缶のゴミ箱。
どちらも色はグリーンで、ゴミ入れだとわかる。
巨大なカボチャ型ゴミ箱は、クレーン車が来てつり下げて車の方に持っていき、下を開けて一気に中のゴミを荷台に落とすようになっている。豪快で簡単な回収。
家庭やアパートにはゴミコンテナがあり、一般ゴミ、瓶と缶、電球やプラスチックなどの不燃物の3分別。定期的に回収が来る。
これもコンテナを回収車の後ろに置いて引っかけ、機械的に出来る。

ゴミ入れを無くすか、あちこちに置くか、どちらがいいか?

2009年8月19日水曜日

09パリ-11:Bioラム





オーガニック市場で買ってきたBioラムを焼き、昨年のと比較した。
今回のは、おいしいことはおいしいが、昨年の感動ものまで行かない。
個体差があるんだろうな。
Bioの野菜類は、どれも葉が厚く、頑丈で、濃い味。
ブロッコリーなんかずっしりと重い。
きれいに食べたBioラムの骨を立てて、仕上げのチーズとバゲット。

2009年8月18日火曜日

09パリ-10:ソーセージ版トリッパ






ギリシャのアンティキテラで発見された歯車らしき破片を解析したら、紀元前82年に作られたアストロラーべ(天体観測儀)だった。
これは一般的に「古代ギリシャのコンピュータ」と呼ばれている。
これを書いた科学ノンフィクション「アンティキテラ古代ギリシアのコンピュータ」を読んでからすぐにパリに来たのだが、工芸博物館に行ったら、1700年代製のアストロラーべがいくつも展示してあった。
重なり合う何十枚もの歯車、光る金属、球体の組み合わせ、細かい目盛り、実に美しい。
地球と月、5つの恒星の相対的動きを正確に表し、未来にも過去にも行け、航海に必須の方角と潮の動きを予測できるこの機械は芸術品でもある。

日時計、計算機、飛行機、自動車、産業革命時代の工作機械など、昔の機械の展示をすっかり楽しみ、帰る途中「ちょっとカフェ」がいけなかった。
昼遅くビールを飲んだら、夕方のミニコンサートが危ういから頼まないようにしようと気を引き締めて入ったが、ちょっとだけと小さなのを一口飲んだら、おいしくておいしくて。
腹も減っていたので、なんだかかんだかのソーセージというのを頼んだら、巨大なのが来た。
ナイフでカットしたら、内部はなんとグラインドした肉ではなく、大きく刻んだ肉がゴソゴソと出て来た。
うわ〜〜〜!! なんだこれぅわぁ〜!!

中に入っていたのは胃や腸などの内臓肉だった。
マスタードソースがたっぷり付いているのは、いわゆる内臓臭を消すためだ。
内臓臭というのは、嫌いな人はゲッとなるが、好きな人には魔味、妖味、艶味とメカニックな魅力になる。
これは大変だと気を引き締めて食べだしたら、ビールが無くなっている。
どうして無くなったのかわからないが、すぐにおかわりのジョッキが来たのもわからない。それも大きなジョッキだ! うれしい〜〜〜!
この妖味を半分ほど食べたらマスタードソースが無くなってしまったので「ソースだけくれる?」といったらウエイターは「そうだろうそうだろう」という顔で持って来た。
更に食べていったら、不思議なことにシャルドネのグラスが目の前に出現した。

ああ、食った! 飲んだ!
アパートに帰り、ちょっと昼寝してコンサートに何とか行けるかなと、とりあえず歯を磨き、顔を洗い、冷たい水を飲み、ベッドに倒れる寸前、思わず口走った「コンサートやめ!」
起きたら8時半、夕食11時、就寝1時。

ベートーベンとショパンが消えてしまった宵だったが、トリッパのソーセージ版と出会えた。
しかし正式にはなんという名前なのかな?
大体あれは正式な料理なのかな?
どなたか知りませんか?
あんな特殊な料理がそこら辺のカフェで出て来るところがパリなのかな。

2009年8月17日月曜日

09パリ-09:Bioマーケット




オーガニック(Bio)のみを販売している市場がパリに2カ所あり、その一つが地下鉄Rome駅の上。
出ている店は1/3しかないが、一番奥にある生産者が直接やっている八百屋は夏の間も営業。
ネギ、オニオン、ポテト、サラダ菜、ブロッコリー、トマト、セロリ、マッシュルーム……
大量の野菜を、キャスターバッグに入れ、入りきれない分をぶら下げた。
キャスターバッグからネギの葉っぱが飛び出している。
なんだか変な格好だな。
肉屋も1軒出ていて、オーガニックラムの骨付きロインチョップ4枚と骨付きポークチョップ2枚、卵1パックを仕入れ。
ここの兄さん、粋な帽子を被ってやっている。
パリは肉屋もおしゃれだね。
帰りがてらカボチャじゃないかと思うような大きなトマトを見付けて持ったら、硬くずっしり重い。赤ん坊の頭持っているみたいだ。
一週間分の野菜を仕入れ。

2009年8月16日日曜日

09パリ-08:パリのアフリカ





昨年強く印象に残っているコンサートの一つは、アラン・クレムスキーという、いかにもロシア系のおじいさんが、セーヌ川沿いの40席しかない小さなホールで弾いていた哀愁こもったピアノ。
あのおじいさん、今年もまだやっているかなと、パリに来る前から気になっていたが「パリスコープ」をチェックするとちゃんとやっている。
パリは時間が停まっている街でもある。
今回の曲は、シューベルト、シューマン、ラフマニノフ、リスト等だが、アベマリアを除いて、すべて初めて聴く曲。メカニックな特殊なものばかりだ。
聴衆は十数名ほど。

ロシア軍人を退役し、しかしまだまだ元気で、そのくせちょっと寂しさにじませ、でもセクシーさが残るおじいさんが弾くメランコリックな音にジーンと来。
クレムスキーおじいちゃんは、曲の合間に一言フランス語で何か言っている。
エスプリの効いたコメントなのだろう。

哀愁コンサートが終わって腹減って、帰りがてら、目を付けていたカフェが集まっている広場に行き、一番混んでいる店に入ったら、スタッフはほとんどアフリカ系で明るく愛想いい。
英語はたどたどしいが何とか通じる。
価格は安い。
子供を連れた家族がずいぶん居る。

サラダがアフリカ的魔力フレーバー。
ランプステーキはナイフを入れても歯が立たない。
座り直して、気合いを入れ、ガリガリガリと切り刻み、口に入れたら、硬いのなんのって。
しかし、味は濃い。
硬いので、よく噛むと、野生の味がしみ出てくる。
一切れ30回咀嚼の必要があるな。
ああ、硬くて、美味い!
しかしこんなの日本で出したらクレーム続発だろうな。

バックグランドミュージックは、シャンソン。
パリの演歌聴きながら、アフリカの味。
すっかり満足してアパートに帰る途中、パリ的怠惰な猫に出会った。

2009年8月13日木曜日

09パリ-07:1912年の衛生管理対応キッチン






18世紀の富豪の邸宅がそのまま美術館になっている「ニッシム・ド・カモンド美術館」に行ったら、このグルメだった主と客たちの豪華な食事を作る厨房まで見ることが出来た。
厨房の中央に1912年製の巨大オーブンがあり、このオーブンの上にある棚は格子状になっていて、汚れが溜まらないようになっている。
後ろに巨大な肉を串刺しにして炙り焼きをするこれまた巨大なグリルは壁に張り付いていて、これも汚れが溜まらないようになっている。
床、壁、天井はすべてタイルで、丸ごと洗浄できるようになっている。
天井と壁の間はR構造にしてあり、汚れがつまらないようになっている。
シンクの下は空いていて、清掃しやすくなっているし、両側の板は跳ね上げ式でシンクが洗浄しやすくなっている。
4カ所の排気窓はまとめてハンドルで操作できるようになっている。
上の階にある宴会場へのサテライトキッチンのシンク上には浄水機まで備わっている。
百年近く前の大型厨房は、HACCP対応になっていた。

2009年8月12日水曜日

09パリ-06:パワーブレックファースト




アパートの隣に小さなパン屋がある。
早速買ってきて、買い込んだ食材で簡単な料理。
フライパンで卵、巨大マッシュルームの刻み、トマトをまとめて焼く。
フライパンごと食卓にドンと持って来て、目玉焼きに日本から持って来た醤油を垂らし、ガツガツと。
隣の酒屋で買ってきたトマトジュースをでかいカップでガブガブ。
こんなそこら辺にあるのでも、おいしいんだな〜〜。
紅茶で仕上げ。
腹パンパン。
食休みして、腹ごなしに近くの小さな美術館にでも行くか。