2007年10月31日水曜日

缶蒸し牡蠣




パーティー会場には、4キロ入りの大きな缶が2つ。
佐呂間の天然牡蠣。
天然の牡蠣は殻が硬くなめらかで重い。
牡蠣そのものの歩留まりは少ない。それだけ殻が頑丈。
だから中味は充実。

仲買いの常務が「それではやるか!」
缶ごと牡蠣をガラガラ洗う。
少し水を残したあと「日本酒!」
持ってきた日本酒はなんと「越の寒梅」
コップいっぱい牡蠣缶に放り込み、そのままガス火に乗せる。
ついでに缶蓋の上に「宝のウニ」缶「赤」と「白」2つ、蓋を開けて乗せる。
「宝のウニ」は、北海道の人ならあこがれ。
何しろ1個3千円はする。
知らない人は、この安物そのものの缶デザインになんの反応も示さないが、知っている人は見た途端目の色が変る。

缶の中が沸騰し、牡蠣が蒸しあがった。
牡蠣の香りが吹き出した。
さあ、食うぞ!!!
あちちちち

2007年10月30日火曜日

今年の生ハム去年の生ハム



生ハムというのは、気候に左右される。ヨーロッパのように広い土地が豊富にあるような所は安定するだろうが、日本の場合不安定な面があるようだ。
くにひろさんの今年の生ハムを開けた。
素晴らしい出来だ。
数年前、おいしいがちょっと不安定な所もあったり、一昨年だったか、出来がよくなかったので、くにひろさんが自主的に全て捨てた年もあった。
ほのぼのとした出来の今年を食べたあと、このパーティーをやっている会場の冷蔵庫に、昨年のもの、つまり二年ものの生ハムがあるという。
どうなっているか分からない、とにかく出して見よう。
今年の生ハムの色は浅い。しかし昨年のを見たら、かなり濃い色をしている。
早速一切れ。
うーーーん、これは濃い、濃厚な風味が口いっぱいに広がる。
2つの生ハム、どちらも素晴らしい。
こういうのは、造るというよりも、収穫、ハーベストと呼びたいね。

2007年10月29日月曜日

鮭児のたたき


鮭児というのは、一万匹に一匹ぐらいといわれる、小さめなのに、脂がたっぷり全身に乗った鮭。価格も高い。
これを、札幌の仲買いの常務が出してくれた。
一匹は塩焼き。
こういった高級な鮭は、骨も全てしゃぶって食べなければ罰が当たる。味を閉じこめるにも、2.5センチほどの厚さに輪切りにする。
骨をしゃぶりながら、食べなめ尽くす。
もう一匹はなんと「タタキにしてみました」
表面をパリッと焼き、中は生状態で、大きめ刺し身タイプの切り身になって出て来た。
鮭のトロ。

2007年10月26日金曜日

いくらとウニの巨大桶


青森から夕方東京駅に着き、まっすぐ帰らず、また寄り道。
恵比寿で、生ハム丸ごとと、北海道の魚介類を、たっぷり食べようという会。
着いたら準備の真っ最中で「こんなの作ってみました」
でっかい桶に、たっぷりと作られた、いくらとウニの寿司。
散らし鮨というよりも、いくらとウニの海。
しゃもじが小さく見える。
これを皆に分配する方法は、ピザのようにカットして、いくらとウニを公平に分ける。

2007年10月25日木曜日

時速360キロ試験新幹線のふたつの顔




八戸発14:04、JR新幹線はやて18号に先月乗ったら、「Fastech 360S」という試験新幹線に出会った。このはやてと同じホーム向かいに停まっていた。
今月も同じはやてに乗るので、もしかしたらと思ったら、やっぱり「Fastech 360S」が停まっていた。
同じ時刻に試験走行をしているようだ。
この列車の目標最高速度は360キロで、営業速度は320キロ。
空気抵抗対応の先頭車両の形が、八戸側と東京側では違う、という記事を先日見たので、前回と反対の東京側に行ってみた。
八戸側は、アヒルのくちばしを長くしたような形をしている。
東京側は全然違い、ジェット旅客機タイプ。
先頭車両は計器類が乗っているので、覗いてみたら、工具類がきれいに整理整頓されている。
「5S」は、新幹線でも同じ。

2007年10月24日水曜日

おちょこ散らし鮨



時の宿すみれ」に再び。
ここは「お二人専用」の温泉宿で、部屋は10室ほどしかなく、それぞれの部屋が、北欧風、民家風、というように、タイプが全部違う。
温泉はやわらかタイプで気持ちよく、料理は最高、価格はそれ程高くないので、部屋タイプのバラエティーさと相まって、リピーターが多く、大体満室状態。
佐藤総料理長の料理は、米沢牛肉と季節の食材を使った和風タイプで、メニューの数が多く、各メニューの量は少ない。だからたくさんの種類が食べられる。
米沢牛を使ったアペタイザー、刺し身、フォアグラとの組み合わせなどのあと、牛にぎり寿司と、なんとまあ小さな散らし鮨が出て来た。
おちょこに、下味をつけて小さく刻んだ牛肉に、卵や野菜が、わずかな御飯の上に乗っている。
これが、ふたつ。
初秋の、未だ薄緑色の紅葉が飾られている。
今年の紅葉は未だだなー。
牛肉の和風メニューは、ヘルシーでいいねえ。
仕上げは、小さめかつ高品質のステーキ、ミディアムレアー。

2007年10月23日火曜日

米沢蕎麦街道




米沢市郊外、高畠あたりには、街道から入った奥でひっそりとやっている蕎麦屋が数多くある。
登録されているのは13とか言うことだが、どこもおいしい。
高品質のジャムやドレッシングを製造しているセゾンファクトリーに行くたびに、最近はこれらの蕎麦街道登録店を回るようになり、楽しみだ。
今回行ったのは、セゾンファクトリーから山越えして国道13号線に出る、ほんの50メートルほど手前。
古い茅葺きのままの蕎麦屋「織匠」
(米沢市万世町梓山136-5 0238-28-4657)
これは貴重な建物だ。
とは言っても、ここら辺はまだまだこういった家屋がたくさんあり、茅葺き職人も未だ居て、修理順番待ちで再生出来るようだ。貴重な文化が未だ残っている地域なのだ。
民家で蕎麦を食べさせてくれる、という、蕎麦街道の共通タイプ。
蕎麦は、わずかに太めで、ふっくらと軟らかい。
蕎麦の香りたっぷりなのに、ちょっと細いうどんのような食感がある。モチモチ蕎麦と言った所。
福島から13号線を行き、米沢市内に入るちょっと手前、右側に看板があるので、ぜひ立ち寄りを。

2007年10月22日月曜日

はりはり鍋牛肉版




はりはり鍋はクジラ肉でやるものだが、それを牛肉でやったらどうかと、米沢和牛を使って、いつもの「志乃」で宴会。
出し汁を土鍋に入れ、
ぐらっとしたら、
極く薄く細く裂いたごぼうを入れた水菜を一口分鍋に固めて入れ、
その上から一口大の牛肉をはらりとかぶせ、
わずかに煮ただけの赤い牛肉で水菜の塊をのり巻きのように撒いて引き上げ、
お椀に入れた出し汁につけ、
つるりと食べる。
とろりとした牛肉と水菜のさっぱりさに出汁が絡む。

2007年10月15日月曜日

巨大ナメコと天然舞茸


新潟県の浦佐でキノコ工場を見たあと、大宮経由で東北新幹線に乗り換えて仙台へ。全国セミナー仙台開催。
仙台ではこの店、としていた店が、昨年行ったら、料理長が替わったのかすっかり味がダメになっていたので、どこかないかと国分町を歩いて探すことにした。
タクシーを停めた所が昨年までちょいちょい行っていて昨年ダメになった店の前だったので外からのぞいたら、もう無くなっていた。お客さんはよく分かっているわけだ。
今回見付けた店は「馳走亭」(いわしやチェーン)
早い時間で、長大なカウンターに未だ客は1人も居ない。
「タバコ大嫌い」といったら、風上の席を勧めてくれた。後からきたタバコを吸う客は、離れた所に座らせてくれた。なかなか親切。
養殖とは全く違う舞茸がカウンターの後ろにどかっと置かれている。
小さめで、骨っぽく、黒々している。
採ってきたばかりの天然舞茸だ。
「どうやって食べるの?」と聞いたら、天ぷらでもいいが、素焼きにするのもおいしい、というので、それは大歓迎。素材のおいしさそのまま食べたい。
中居さんに素焼きを頼んだら奥に消え、すぐに戻ってきて「あのー、とても大きいナメコも採ってきたんですけど、これも焼いたらおいしいですよ」というので、もちろん注文。
ナメコは小さくぬめぬめしたのが普通だが、大きくなるのもほんのわずかあり、これが実に味があっておいしいのだ。
以前新潟の十日町でナメコを作っている人に聞いたら、大きなナメコは市場に出してもあまり知られてないので売れない、だから最初から出荷しない、と言っていた。
ならどうするのかと聞いたら「自分たちで食べる」
売れているのとおいしいのとは違うものもあるのだ。
世間一般が知ったら、新しいマーケットになるのに。
天然舞茸も、巨大ナメコも、ただ焼くだけで、素晴らしいおいしさを楽しめた。自然はうれしいねえ。

2007年10月11日木曜日

小河豚焼き



鹿児島からリレー新幹線で佐賀に行き、ミーティングを終えてから博多経由で広島県福山へ。
これだけ移動出来るようになったのは九州新幹線のおかげだ。
しかしこれが無かったら途中一泊して美味いもの……となったのかもしれない。得したんだか残念なんだか……

仕事上では佐賀の後浜松なので、遅くなってもまっすぐ行けばいいのだが、鹿児島と浜松の間でどこか一泊が出来るようにしてあり、どこにしようか考えていたが、京都まで行くと遅くなっていつもの店は閉まる時間。そこで、福山の美味しい小料理「八寸」に行くことにした。

地元の刺し身色々の後「小河豚焼き」
小さい河豚を、骨付きのまま塩焼きにしてある。
骨から身を外して噛ると、ふわふわと軟らかい中に、骨との境目の味しっかり部分が重なり、じっくりと味わえる。
次は焼き鱧。
ここら辺は鱧は雑魚で、丸ごと焼いて、骨をぺっぺっと吐き出して食べるという。こんな繊細な魚をなんと乱暴に食べるんだろうか。いや、豪快と言うべきなのか。
出て来た焼き鱧は、身がたっぷりと厚く、口福。

2007年10月10日水曜日

鹿児島レポート8.鹿児島市場の魚は多品種




鹿児島の魚は、一部南方系、カラフルな色をした、沖縄辺りで見られる魚種も混じっている。
相撲の福岡場所の時無くなってしまうアラ(クエ)もあがっている。
1メートル以上はありそうな大きなアラの、唇がおいしそうだ。ゼラチンいっぱいだろうな。
鱧の活けも結構ある。
太刀魚は大小豊富だ。
エンデバーとピンクの間のような、ここら辺りだけのエビがある。
カランカランと鐘を高らかに鳴らす活発な競りが、早朝の鹿児島市場に響いていた。

鹿児島レポート終わり

2007年10月9日火曜日

鹿児島レポート7.焼酎計量グラス



日本中、どこでも、焼酎のお湯割りの作り方で、九州の人はすぐに分かる。
コップに、まずお湯を入れて、そのあと焼酎を入れるからだ。
こうすると温度差でかき混ぜなくてもうまく混ざるからだ、とか、色々説があるが、とにかく九州の人だと、お湯から入れるのだ。
最近はそうでも無いが、以前九州で焼酎を最初に入れてお湯割りを作ろうとすると「なんてことするんだ」となることがあった。
九州の焼酎グラスには、目盛りが付いている。
5:5、6:4,7:3と。
6:4の目盛りの所までお湯を入れ、あと焼酎を満たすと、お湯6焼酎4割りが出来る。

この日の焼酎は「一どん」というブランドだ。
芋と米の併せ焼酎。
ずいぶん大きなボトルで、一升、1.8リットル瓶だ。さすが鹿児島のボトル。
このブランド、良く売れていて、欠品続きになっていて、抽選なのだそうだ。
6:4に割ると、実に飲みやすく、おいしく、するする飲んでしまう。

2007年10月5日金曜日

鹿児島レポート6.ぶえん鰹



鹿児島は鰹節の産地だ。
市場にはたくさんカツオがあがっている。
これらのカツオは、氷漬けで、鮮度の良いまま消費者の所まで運ばれる。
鰹節の原材料にもなる。
ところが鹿児島では、一部、釣り上げたばかりの最高品質のカツオをすぐに血抜きして船凍(洗浄凍結)にするカツオもある。
こうすると釣った直後の鮮度のまま長期保管出来る。
食べる時に解凍してスライスする。
これを「ぶえん鰹」という。

以下、鹿児島県漁連、宮内さんのコメント
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・・・「ぶえん鰹」と言います。一般的に食べられている鰹(タタキも含み)は遠洋カツオ船の鰹が大多数だと思います。その中で一番安いのがPS(まき網のカツオ)であり、上級がB1(一本釣瞬間凍結のカツオ)です、そのB1カツオの中でごく一部を釣り上げてすぐ1匹ずつ血抜きをし凍結します、その為 とれたての活きのいいいい状態のまま味わえ、解凍後きれいな赤色をしており、モチモチ感があります。
・・・H18年の全国農林水産祭りの内閣総理大臣賞に選ばれました。
「ぶえん」の意味は無塩(むえん→鹿児島弁でぶえん)で、昔からカツオ漁を行っていた枕崎のカツオ船が台風で多数の遭難死亡の事故があり、その未亡人たちがその後生きていくため、枕崎の鮮魚の行商を始め、「ぶえん は いらんかえ・・・」 、「ぶえん は いらんかえ・・・」と言う少し悲しげな掛け声で県内各地を回ったのです。
その為鹿児島では新鮮で美味しい魚を「ぶえん」と言います。(内陸部で販売する時、塩干でないという意味もあるのでしょう)
ちなみに遠洋カツオの原料はラウンドで持ち帰り、陸上の大規模加工場で「フィーレ・タタキ」に加工されます、一部は製品での輸出もされています。
鹿児島県漁連  宮内和一郎
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これが出て来た。
見ると中心部分は未だ半解凍状態なので、しばらく置いておいた。
完全に解凍すると、透明な鮮赤色になっている。
これは赤身たっぷりの高鮮度の色だ。
食べたらその通り。凍結解凍なのに、素晴らしい。

2007年10月4日木曜日

鹿児島レポート5.秋太郎


秋太郎とはバショウカジキ。鋸のような長い口先のあるカジキマグロ。
秋に大量に捕れる所からこの名がついたそうだ。
味はさっぱり赤身のマグロの刺し身。
私はマグロはトロよりも赤身が好きなので、秋太郎はうれしい。
市場の競り場には秋太郎がたくさん並んでいた。

2007年10月3日水曜日

鹿児島レポート4.キビナゴ骨付き


キビナゴは鹿児島名物。
普通はこの小さい魚を開いている。
しかし「魚福」のは、頭と内臓を取っただけで、中骨は付いたままだ。
これが酢味噌の上に、鏡のようにピカピカ光っている。
一匹丸ごと口に入れた。
ぴんぴんの鮮度。
骨は全く気にならない、というよりも、キビナゴの肉の素晴らしさを引き立てているようだ。
6匹入っていたの、あっという間に無くなってしまった。

2007年10月2日火曜日

鹿児島レポート3.フカの皮


フカは、東日本ではサメ、山陰に行くと「稲葉の白兎」のワニ。
一番上の皮は、硬くざらざらしていて、ワサビを擦る道具にしたりしている。
その下に二枚目の皮があり、さらにその下は肉との間のゼラチン質になっている。
ここの部分がおいしい。
河豚皮の巨大版だ。
これがボイルされ、ブリンと出て来た。
酢味噌を付けて、パクリ。
お肌に良いコラーゲンの塊だ。
今度はワサビ醤油を付けてみたら、これの方が私にはあっている。

2007年10月1日月曜日

鹿児島レポート2.首折りゴマサバ



「鯖の生き腐れ」といい、鯖は傷みやすい。
鮮味落ちが早いのだ。
ゴマサバというのは鯖の種類。
博多名物のゴマサバは、関鯖にゴマをかけてワサビ醤油で食べる。ゴマの香りが高品質な鯖と良くあう。
鹿児島のゴマサバの意味と、博多のゴマサバの意味は違うわけだ。

鹿児島のゴマサバは、捕ってからすぐ、首を折る方法がある。
活き締めだ。
これを「首折り」と呼んでいる。
マグロやヒラメなどは、眉間の所に錐を刺し、脊髄の中にピアノ線を通して締める。
ゴマサバの場合は、首を折るわけだ。
こうすると鮮味が良いまま市場の競り場まで持って行ける。
市場内を見ると、一部にこれがある
首折り、ぷりぷり。