2007年8月23日木曜日

オーストラリアレポート13:500万年前の塩





メルボルンを発ち、パースへ。
飛行時間は4時間だが、時差が2時間あるので、2時間得した。
パースへあと1時間弱のところで、右下に広大な白い湖のようなものを発見。これは「WAソルト」の所有する塩の採取地「デボラ湖」だ。

18キロ×8キロの面積があり、塩の大平原になっている。米国のソルトレイクの様なもの。しかし違うのは、ここの塩は、ここから500キロ以上西のインド洋からの潮風によってできている点だ。
オーストラリアの西海岸から東に潮風が大陸を進んで行くと、ずっと平らなのだが、500万年より以前、ここは湖になっていた。そしてすぐその東側には小高い山があった。
インド洋からの強い風で、海水が潮風となってはるか500キロ奥まで吹いて行き、そこにあった山に当たり、手前のデボラ湖に落ちていた。
インド洋の潮風の塩がこの湖に溜まって行ったのだ。
その後、干ばつ化して行き、強烈な日光で乾燥を始め、表面の水分が蒸発し、塩の層になった。
500万年前、500キロを飛翔した潮風の塩だ。
今でもこの風は吹き続けているので、ここの塩は無くなることは無い。
素直でおいしいナチュラルな塩だ。
ミネラル分はもちろん塩水と同じ。
日本で時々ミネラルが異常に入っている塩を見ることがあるが、あれはミネラルを添加したもので、ナチュラルとは言えない。
メキシコから輸入した一般的な塩にミネラルを添加した塩もあると聞いている。
詳しい解説はここ

パースの西500キロのデボラ湖の塩は、削り取られ「WAソルト」の製品になって、一部は日本にも入ってきている。
良質で無添加のハム、ソーセージを作っている「グルメくにひろ」もこの塩を使っている。
この塩湖に3回ほど行ったことがある。日本への開発輸入を手がけていたのと、地の果てが好きな性格の為だ。一度は車、一度はセスナ、一度は我が家族に見せてあげたくステーションワゴンで。
車で行くと、メイン道路から入ったところで、白地に黒の丸と斜線の道路標識が出て来る。これは「制限無し」と言う意味。
理解の仕方を変えると「自分のリスクで勝手に走って良い」
何キロで走っても良いが、自分で責任を持て、ということになる。
しかし、高速で走ると、カンガルーがボーッとしているのに出会うので、危険。

冬の雨期、ここは雨水が3センチほど溜まる。
真っ平らなので、広大な鏡になる。
無風の満月の夜、湖の中央に立つ。
水面に月と星が映っている。
上も、下も、月と星。
人は宇宙の中心に浮遊する1個の意識になる。
そして、月に向かって吠え出す、
「わおー! わおーー!! わおーーー!!!」
あぶないあぶない……

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