2010年6月30日水曜日

大田のマグロ



島根県の大田にあがるマグロは量は少ないが丁寧な漁で魚体を痛めないという。
「それを一匹入れました!」と「いと賀」の大将。
早速出て来たら、そのマグロの大トロ、鯛、そしてこれも山陰名物鯖の刺し身盛り合わせ。
脂たっぷりの刺し身三羽ガラスを楽しみながら、このマグロの赤身はどうなっているか気になった。
そこで「赤身も食べたい」
私は正直言って牛肉もそうだがマグロもさっぱりした赤身が好きだ。
大将、大きなマグロの本体を持ち出してきて、赤身部分をサク取り。
つやつやと半透明に光って氷の上に乗って出て来た。
これこれ、これなんだよな〜〜〜!

2010年6月29日火曜日

ハモの夏到来


羽田から出雲空港に行くJAL1665便が米子空港のすぐ上を高度を下げている。
この地方で、車でたった1時間半ぐらいの所に飛行場が二つもあるのが不思議だ。
米子空港は全日空、出雲空港は日本航空と、ここでも相対しているな。

出雲空港を出たら梅雨の雨が一時的にあがっていた。
空港から宍道湖の南を走って行く道路はさわやかな風。

仕事が終わっていつもの「いと賀」へ。
そろそろかなと思っていたら、やっぱりハモが出て来た。
ジュンサイと一緒の汁仕立て。
この気品ある魚、中国地方、広島辺りは雑魚の扱いで、ただ焼いてばりばり齧り、骨を吐き出して食べていた時代があったそうだ。贅沢だったんだな。

2010年6月24日木曜日

シェフの休暇




バルセロナ近くのレストラン「エル・ブジ」は、半年営業して、半年休暇をするので有名。
休暇といっても、世界に旅に出て、メニューを研究する目的。
日本にも来ており、天ぷらや和食をいろいろ回っていた。
半年休暇のあと、どんな料理を世界から持ってきたんだろうと、予約はいっぱいになっていて、世界で一番予約のとれないレストランとしても有名。
シェフのフェラン・アドリア氏の訪問を受けたある日本のレストランシェフ夫妻が「エル・ブジ」に行ったら、当然席なんかないのだが、厨房の隅に席を用意してくれたそうだ。

ところが、今年初めシェフは「疲れたから2012〜13年の2年間休暇を取る」と宣言。
シェフは休暇が必要なのだ。

仙台の「萬み高橋
「シェフが休みで、2番手が料理しますけど、いいですか?」
こういうの大歓迎。
2番手がどういう料理自分だけでやるのか、楽しみだ。

シェフがどこに行ったかというと「メキシコです」
時々旅に出るという。
旅して、外から自分の店を見て、何か感じて、帰り、料理を新たに作る、というところだろうか。

この日2番手の料理、なかなかだったね。

2010年6月23日水曜日

ホヤが嫌いな方に



盛岡でいつも行く横綱寿司
座敷の方で「ホヤは苦手だけど、ちょっとだけ」とお客さんの声。

ホヤは苦いから嫌いだ、という人が多い。
ところが、鮮度の良い本当のホヤは苦くないどころか、美味しい。
ホヤは鮮度がすぐ落ちるので、一般に出回っているのであまり良いのはないようだ。

そこに私の前に出てきたホヤ。
海のパイナップルと言われる形と、身の色。
さくっとした食感でさわやかな味が口の中に広がる。
牡蛎を「小さな海を食べているみたい」と表現していた人がいたが,これもそんな感じ。
ホヤは、鮮度の良いのを食べましょう。

2010年6月22日火曜日

天然アスパラと栽培アスパラ



天然のアスパラは、先が絞られていなくて、広がっている。
細く、繊細。
一緒に盛られてきて、食べ比べ。
天然の食感はきゃしゃだが、位が高い、なんてとこかな。
お姫様かな。

2010年6月21日月曜日

マンボウのひれ



座布団のように海を漂うマンボウ。
肝は何度か食べたことがあるが、しゃきしゃきと野菜のような食感で、さわやかな味だ。
マンボウのひれは初めてだが、マンボウはどこを食べても同じ食感なのか、これもしゃきしゃき。
そのあと、姫竹と一緒にマンボウの肉が出て来たが、これもしゃきしゃき。
マンボウって、どこ食べてもこんなもんなのかな?

2010年6月17日木曜日

タケノコと魚の缶詰


今シーズンの姫竹は、東日本の多くの所で出て来る。
一般的に焼くが、米沢と長野では、汁にする。
どちらも不思議なことに、サケなどの缶詰と一緒に味噌仕立てにする。
この二つの地方では、これが一番、だということなのだ。
他にもこのように食べる所があるかどうか知らないが。
米沢では白みそ仕立てで出て来た。
福島県との境目辺りだかで採ってきたばかりだという姫竹が、歯の間でキュッと音を立て、一緒に味噌の香りがにじみ出る。

2010年6月16日水曜日

夏のおでん






吉祥寺駅南口を出たすぐ前のビルの2階にいつも混んでいる居酒屋がある。
ひょうたんなべ
今日のお勧めの中には、大体マグロの赤身があり、いつも透き通るようなのが出て来て当たり。
季節モノ、姫竹があり、炙り焼いたのがそのまま出て来た。
アチアチっと皮をむくと、柔らかな茸がポクポクと歯に当たる。

ここのおでんは出汁が出ていて薄味。
値段も安い。
ひとつづつ、いろいろ取りそろえて皿に盛ってきてくれるが、ワカメだけは別。
ワカメは薄皿のスープのように静々と運ばれてくる。
トロリとワカメが口に吸い込まれる。
暑くなってきたら、おでんもいいね。

仕上げは、早く頼まないと無くなってしまう鯛茶漬け。
鯛の刺し身が無くなると、これもおしまいなのだ。
今日は確保出来た。
まずはスープを入れないで、ちょっとのご飯にたれをまぶした鯛刺し身を乗せてつまみ食い。
半分ほど食べてしまってから、熱いお茶を土瓶からじゃぶじゃぶと。
熱い熱いとかっ込んで、外に出たら涼しかった。

2010年6月13日日曜日

川場の「道の駅」






「道の駅」は全国に広がり、旅行者と観光に加えて、地元の生鮮直販所として発展しつつあるようだ。
その道の駅の中で、関東好きな道の駅5年連続第1位がここだという。
田園プラザかわば

知らないで入って行ったが、なぜナンバー1か分かった。
広大な施設内に、ビール工房、ミート工房、ミルク工房と、ガラス張りの小工場があり、レストランも併設。それに地場産野菜の市場がある。
これだけ面白い施設が芝生の中に点在していれば、子供がいても遊園地みたいなもの。
ビール工房なんかそこで醸造タンクが目の前。
たっぷり買い込んだ野菜を持って帰り、早速夕食に。
紫タマネギをスライスして生で齧ったら、シャキッとした香りが広がる。
白タマネギは厚くカットしてフライパンで焼いただけで、甘い甘い。
不ぞろいのアスパラも、風味濃い。
コンテストで金賞をもらっている「川場ビール」でヘルシーな野菜パーティになった。

2010年6月11日金曜日

萱の家






野尻湖から上田に出て別所温泉の「八角三重塔」
国宝で、五重の塔では無く三重、そして屋根が八角になっている珍しい塔。
別所温泉街の奥の奥に、忽然と現われる。

次は関越道まで出てから新潟方面に左折し、沼田インターチェンジで降りて、武尊温泉「萱の家

ここは15年ほど前しょっちゅう来ていたが、子供たちが大きくなってから全く来ていなかった、5室しかない温泉宿。
久しぶりにどうなっているかと昨年末電話したら、満室で断られたので「ああ、いそがしいんだな」と、安心していた。
今回予約がとれたので、野尻湖のあと寄り道。

新緑あふれる温泉に浸かって汗を出し、咽乾かせて、夕食に。

ここの料理は野菜と穀物系のみ。
肉も魚も全く無い。
今の季節は特に山菜いろいろ。
ポテトサラダかと思ったら、オカラのサラダだった。

2010年6月9日水曜日

1世紀の酒盛り




野尻湖のおばあちゃんは百歳になった。
初夏の好天の日、関越高速経由で野尻湖へ。
着いたらおばあちゃん畑に出て種まきしてる。
元気だな〜〜〜!

まあ、良く来た良く来たと、早速天ぷら揚げてくれる。
「天ぷらは私がやらなくちゃダメ」と、80歳を超える娘さんに手を出させない。
最初山菜いろいろ。
小さい鍋でどうしてこんなにパリッと、羽根のように軽く揚げられるんだろうか。
次はワカサギの天ぷら。
これは冬場、捕ったすぐあとに急速凍結したもの。
卵を持っているのも混じり「香る」ワカサギだ。
野尻湖では海老も捕れる。
川海老に近い海老で、これはかき揚げ。

雄大にそびえる妙高と黒姫から吹き下りる初夏のさわやかな風の中、おばあちゃんと酒を酌み交わす。
おばあちゃんは吟醸酒の冷やを大きなぐい飲みで。
私は甕焼酎をロックで。
空と畑が藍色になってきた。
風が冷たくなり、カーディガンを羽織る。
山菜をつまみに宴会はまだ続く。
何十年も昔と昨日の話が、あっち行ったりこっち来たり。
百年の時間の中を泳ぎながら夕闇に。

1世紀の酒盛り。

2010年6月8日火曜日

逆さになったシャブ鍋



安乗の活鯖を刺し身としゃぶしゃぶで堪能したあと、丸勢水産の片山社長が「鯖の塩辛」があるという。
それも1年もの。
どうも鮒やサケの熟れ鮨のようなもののようだ。
ともかく出してもらって食べたら、これまた最高!
いったん落ち着いた焼酎のピッチがまたあがった。

食べているうちに、今度はご飯が欲しくなったのだが、
「待てよ?」

ご飯を茶碗に半分ほど盛り、その上に鯖の塩辛を崩して乗せ、さっきのシャブシャブ鍋に残っていたスープをぶっかけてかっ込んだら、!!!!!
なんとまあこの大宴会の仕上げにふさわしい乱暴大胆なおいしさだろうか!
皆でわっとばかりに食べ、少し落ち着いたとところで、片山社長が「スープもう一杯」と言ったが「もうありません」と、鍋が逆さになった。

2010年6月6日日曜日

あのり〔安乗〕の活鯖






名古屋から近鉄特急で2時間ほど、いわゆる伊勢志摩の鵜方(うがた)駅で降り、車で15分ほどで安乗漁港に出る。
ここは牡蛎で有名な的矢の向かい側。
漁港に行くと、車海老、アワビ、伊勢エビ、イワシ、鯖、フグと、活きのいいのがあがっている。
ここの活魚は、高品質だが、量はそう多くはない。
だから安乗はあまり有名では無いが、高品質ゆえに、一部のルートで大事にされているようだ。
安乗であがった活魚を東京築地市場に送っているのが丸勢水産

漁港の水槽をふと見ると、鯖がすいすい泳いでいる。
鯖は大衆魚で、一般的に価格は安い。しかし、関サバや豊後の鯖、あるいは鹿児島の首折れ鯖のように、一部に高級品がある。
福岡で出て来るゴマサバもそうだ。
そして、安乗の漁港に上がる鯖は、なんと活魚なのだ。

鯖を活魚で扱う。
これは大変なことだな。

その活鯖が、丸勢水産のやっている居酒屋で出て来た。
鯖は「生き腐れ」といって、鮮度の落ちが早い。
それがコリコリの刺し身になっている。

ドーンと出て来た刺し身を半分ほど食べてから、しゃぶしゃぶでも食べてみることにした。
かつお節と昆布を半々にした出汁をとり、ぐらっと煮立たせた所に鯖の切り身を放り込んで、すぐにあげ、ポン酢で食べる。
ぎゃ〜〜〜!! これは全く違うおいしさ!
アワビの切り身もしゃぶしゃぶにすると、コリッとしたのがフワリと餅のようになる。
刺し身としゃぶしゃぶ、二刀流。
がっついた食べ方だな。

そんな所に、これまたでっかい活車海老が塩焼きで出て来るわフライで出て来るわ。
豪華なことやってるな〜〜〜

2010年6月4日金曜日

断られだらけの寿司屋






2回電話で満席ですみませんと断られ、いきなり行ったらやっぱり満席で断られ、やっと予約がとれたので4回目に入ることが出来た名古屋は栄の寿司屋。
8席ばかりのカウンターと、小さな小上がりだけの店。

「やっと来れた」と大将に話していたら、一人で気前よく食べていた隣のおじさんが「あなたも断られていたんですね」と、この人も楽しく何回か断られていたらしい。
「先生」と呼ばれているので聞いたら弁護士。

カウンターの前に大皿の小料理が幾種類か。
空豆はさっと茹でたのが塩汁に浸けてありしゃっきり。
野菜の炊き合わせは京都風の薄味に出汁たっぷりで、鮮度漂うホタルイカ入り。

マグロの赤身は半透明のぴっかぴか。
ばりっと焼いたゲソは根本コリコリ。
刺し身のツマが大根でなくニンジンやキュウリだが、ぴりっと辛い生姜入り。

途中お得意さんらしき二人組が「空いてる?」と入ってきたが、「すみませ〜ん」と断られた。

ああ美味かったと、再来月名古屋に来る日にあわせて予約したら「はいありがとうございます」とカレンダーを見たが「うわぁ〜〜、すみません、その日休みなんです」と、また断られた。

スキ見てまた来よう。