2009年10月29日木曜日

骨のあと本体が




マツモの話をしていたら、それではというので出て来たのは、アワビとマツモ。
アワビの殻で、マツモとアワビの身、それにアワビの肝を貝殻焼きにしてある。

太刀魚は背びれの複雑な骨の間の肉をしゃぶると美味しい。
しかし普通は残すようだ。
私はしつこくしゃぶる。
ところが、今日は太刀魚の骨煎餅がいきなり出て来た。
これなら骨も一緒にばりばり食べられる。
ずいぶん手間をかけてくれるんだな〜〜
ふと「本体はどうした?」と聞いたら、本体が骨の後に出て来た。
出方が反対のような気がするけど、まあいいや、親切だな。

2009年10月28日水曜日

巨大毛蟹





ころんと丸い赤貝な転がっているので頼んだら、身が厚く、若々しい味だ。

イカがバットに入っていたので「ゲソの軟骨の所がうまいんだよね〜」と言ったら、抜き出して出してくれた。
わがまま聞いてくれるこの店、うれしいね〜
横綱寿司

「こんなすごいのどうですか」と出して来たのは、なんと巨大な毛蟹だろう。
よいしょ! とかけ声をかけて持ち上げる重さ。
足を1本外し、身をきれいに取り出して出してくれた。

2009年10月27日火曜日

東北の秋どんどん






きんこの生は、薄くスライスされたのが2切れ出て来た。
中の卵ねっとり甘く、周りのナマコ本体はこりこりと、相反する美味しさが一緒になっている。
「最初にどういう気持ちで食べたのかね〜 こんなの」
見た目、とても食べるような気にならない。
私は「腹減ってたんだよ!」
しかし、うまいな〜〜〜 日本人て、色々なの食べるな〜〜

秋に入って初めてのフグが出て来た。
ここら辺で捕れるフグも、下関に行く。その方が高く売れるから。
しかし、一部は残り、盛岡の店にも出て来る。
だから安い。

とろカツオが出て来た。
身が透き通っていて、舌に絡まりつく。

白子だ!
パリッと噛み破ると、ねっちゃりとろりとした中身が口中に広がった。

山は紅葉真っ盛り、寿司は秋の美味しさいっぱいの盛岡だな。

2009年10月25日日曜日

きんこの生






大船渡から民話のふるさと遠野へ。
この間、対面通行だが本格的な高速道路が出来ている。
交通量は少なく、重要な幹線ではないと思うのだが、大金をかける必要があるのかな? もっとほかに使ったら? 新政権で道路財源減らすの、分かるな。

遠野で曲がり家見たあと、ちょっと遠回りして今年の紅葉見納めと行こうか。
遠野から国道320号線に入る。
入ってしばらくしたら道路は細くなり、紅葉の森にさまよい込んだよう。
紅葉紅葉また紅葉。
ため息の連続。

320号線が106号線に突き当たって終わり、左の盛岡方面へ。
道は広くなったが、またまた紅葉だらけ。
途中大きなトンネルが道の建設中、これを過ぎたら遥かな山の上を通るすごい道路をまた造っている。これも必要ある道路なのかな?
大体この道はぼーっと走っていたらスピード違反に捕まりそうな走りやすい道路だ、そこにまた道路?
盛岡から宮古までに新たに造って、どれだけの経済効果があるのか?

紅葉でう喜び、不要のような高速道路にぶつぶついいながら盛岡に入り、レンタカーを返し、いつものロイヤルホテルにチェックインし、シャワーを浴びてのど乾かせて、これまたいつもの「横綱寿司」へ。

店に入ったとたん大将が「おぉ〜〜 いい所へ来た!」
この美味しいもの色々出してくれる大将が始めで出会った生のキンコを、たった今蒸し上げたばかりだというのだ。
キンコは卵を持ったナマコで、一年のうちわずかな期間しかとれない貴重品なので、普通は蒸してから凍結してある。その、な、な、生が!

2009年10月23日金曜日

三陸の海鮮ラーメン





久慈から三陸海岸沿いに更に南下し、奇岩、断崖絶壁を見ながら大船渡へ。

レンタカーはいつもエコ対応プリウスを借りているが、今回は新型1.8l。
前のと比べて、運転しやすくなった。
エコモードとパワーモードがボタンを押すだけで切り替えられる。
シフトレバーが手元に近くなったので、肘をかけながら入れ替えられる。
Dレンジからエンジンブレーキをかけるのに、レバーを手前にちょんと引けばすぐに入る。
長い山道の下り坂だと、ドライブとエンジンブレーキを頻繁に入れ変えるが、この車の場合、エンジンブレーキにをかけたまま、下り坂が緩くなったとき、ちょっとアクセルを踏むと、ドライブ状態になる。
つまり、エンジンブレーキに入れたまま、ドライブとエンジンブレーキを、アクセルだけで入れ変えられる訳だ。
前の型は、充電、モーター走行、エンジン走行の相関状態を表示するにはカーナビモニターを切り替えなければならなかったが、新型はメインパネルに常に表示されている。

プリウスの更なる新型はプラグインタイプになり、開発は既に済み、生産システムの調整に入っているとNHKテレビの特集でやっていた。
1台の生産プロセスは60秒で、一部は57秒にもなり、余裕まで出て来たということだ。11月から生産開始。
よくもこういう所にカメラが入ったなと思ったが、翌日この新型の報道発表があったので、なるほど、宣伝の為かと分かった。
日経のトピックは「◇トヨタ、新ハイブリッド車「SAI」12月発売 最安モデル338万円」

大船渡は郊外の海沿いのホテルだったので、周りは何も無く、ホテルの和食レストランで食べたが、地場産自慢メニューに海鮮ラーメンがあった。
ラーメンは滅多に食べないのだが、地場産ということで頼んでみた。
大きめのつぶ貝2つ、大きめのホタテ1個、大きなムール貝1個、カニ爪1個、それに海藻たくさん。
素材は皆ジューシー、スープは出汁味さっぱりタイプ。

2009年10月22日木曜日

マツモにタナゴにドンコ






青森から小川原湖経由して八戸までは、何も無い淋しい海岸だった。
この海岸の名前は「淋代海岸」
名前通りだな。

久慈には初めて泊まるので、いつものようにホテルで美味しい店を聞いたら「それなら「魚棚(うおんだな)」

最近改修したということで、きれいな店。
地場海産を食べることにした。

マツモは太めの幹に葉が生えているような海藻で、酢の物、天ぷら、汁にする。
コリコリした食感で、味がある。
タナゴは深海魚のようで、イシモチに似ていて、焼く。
上品な白身で、キスと鯛の間のようだ。
ドンコは黒く気味悪い魚体。
焼かれて出来たが、ねえさんが私の箸を取り「こうやって」と魚体を開けると中に味噌のようなドロッとした粘体が入っている。
これはドンコの肝と味噌を合わせた肝味噌で、これを中に入れて焼くのだ。
へえ〜〜〜 こういう焼き方をするんだ。

仕上げは、焼きおにぎりとマツモの味噌汁。

久慈で出会った料理は、地場産の誇りとともに出て来たが、青森を回って来てどこも若い皆さん達が地場産食材を胸を張って説明しているのを聞いて来た。
この話をドンコを食べながらねえさんに聞いたら「昔はそうでなく、田舎の引け目があったが、最近変わって来た」
地元を誇りに考え出し、飲食宿泊業も若い人が増えて来たと言う。
これはいいことだな。
東北には美味しいものがたくさんある。それを若人が自慢し、産業の元にしていけばいい。

2009年10月21日水曜日

青森の巨大キンキン






尻屋崎から北西、恐山の北、下北半島の奥深くに薬研渓谷と温泉がある。
奥入瀬は全国的に有名だが、ここはあまり知られていないようだ。
この渓谷も紅葉いっぱいで、細いながら舗装道路の突き当たりには「カッパの湯」というのがある。
渓谷の流れがさらさらと響き、風がそよそよ流れる中を、温泉の湯がジョウジョウと。

3時間かかっていつも泊まるホテル青森にチェックインしたら、すぐに斜向いにあるこれもいつも行く居酒屋「郷土料理だるま
黙々と仕事をする大将と焼き方の女将だが、話しかけると朗らかに対応する。青森の人だね〜〜〜
ここの名物はキンキン(キンキ)で、名物の意味は巨大さ。
ホタテの貝焼き味噌は、大きなホタテの貝殻を器にして味噌ソースでホタテと野菜を焼き煮する。
ホタテを食べながら、横目で女将がでっかいキンキンを焼いているのをちょろちょろ覗く。

出て来たキンキン、でっかいね〜〜〜
普通の皿では入らないので、大皿にどっしりと盛りつけられている。
さあ、骨の隅々までしゃぶるか!
青森の宵は、ガツガツと骨を齧る音でふけていった。

2009年10月20日火曜日

究極の朝粥






奥入瀬渓流ホテル、プラス2000円で「究極の朝粥」を一日20名限定とあったので申し込んだ。予約表を横目で見たら、私以外には一組だけのようだ。
究極の意味は、すべて地場産の最高級素材を使っていること。
粥はもちもちとろとろ、漬け物シャキシャキ、キノコの煮物や佃煮はおかゆ何倍も欲しくなる青森タイプ、マグロ二切れは大間産、味噌汁のシジミは下北産、サラダ野菜は近場の誰々さん作、小型ながら焼きキンキ。全部美味しい美味しい。
その中に巨大な梅干しがあるが、これは青森が開発した梅と杏を掛け合わせたものだそうで、豊穣な味。
デザートは焼きリンゴ丸ごと一個を暖炉で温めてくれたうえ、今日は特別サービスでフルーツもついて来た。

美味大量の朝粥で馬力がついたので、馬を見に行くことにした。
青森市からドライブ3時間、下北半島の最先端、尻屋崎の寒立馬(かんだちめ)で、この広大な地域に放牧されている。
胴体が大きく、優しい性格、穏和な眼と長い睫毛。
行くのは2度目だが、今回は一頭も見かけなく、仕方なくあきらめかけたら一頭見付けた、と思ったら林の中からぞろぞろぞろぞろ、パッカパッカと10頭ばかり道路に出て来た。
太平洋を見下ろす岬で、冬は寒風吹きすさぶだろうに、そんなこと関係なくのんびり過ごしている馬を見るのは静かな感動。

2009年10月19日月曜日

十和田のヒバ蒸し




東北出張後の週末を利用して、紅葉になって来た十和田の奥入瀬へ。
もう2分ほど色づいていて、これから2週間が最盛期だな。

「温泉旅館に美味しいものは無い」と言うのが定評だが、ここ奥入瀬渓流ホテルはそうではなく、素晴らしい食事だ。

夕食で初めて出会ったのは、ヒバ蒸し。
ヒバ、檜の香りで、十和田牛と野菜を蒸したもの。
檜のくずをたっぷり入れた鍋をコンロにかけて湧かし、その上に檜の蒸しセイロを乗せる。
檜セイロに、檜くずの蒸気を入れ、檜の香りたっぷりのスチーム調理だな。

牛肉は赤身の多いもも肉のしゃぶしゃぶタイプのスライスで、たっぷりの野菜の上に乗せられてる。
地場産食材の料理を色々楽しんでいると、檜の香りたっぷりの蒸気がシュウシュウと沸き上がって来た。
蒸篭のふたを開けたら、わ〜〜〜、きれいに出来上がっている。
蒸すと、素材の美味しさが逃げない。
檜は「青森ひば」といって、青森の樹でもある。
この樹は、防虫、制菌、防カビ機能を持っていて、住宅、風呂、まな板等の高品質素材だ。
地場産の食材と樹を使った調理、なかなか粋だな。

2009年10月16日金曜日

銀座で天然満喫




銀座2丁目にある、銀座で唯一の旅館「吉水」は、畳も壁も天井もスイッチ板も洗面所も布団もシーツも、殆どが天然や有機製品。

ここは宿泊だけでなく、有機天然素材の料理だけも楽しめる。

生協の皆さんと集合し、まずはビール。
恵那の自然からうまれた自然麦酒、とあり、天然酵母使用。
色も味も濃く渋い頑丈ビールだ。

日本海の滋味が詰まったような刺身が出て来たので、次は芋焼酎。
芋麹米富貴有機とある「天地水楽」
すごい名前だな。
これまたしっかりした力強い焼酎なので、ロックで。

仕上げは3分づきの玄米と有機味噌を使った味噌汁。

体内が洗われるような夕食だった。

2009年10月15日木曜日

ぼた山の町でアラのあら炊き




福岡県の飯塚市に何回か行くことになった。
飯塚はぼた山の町。
ぼた山は炭坑の掘削で出て来た石炭のくずを捨てた山で、今ではここしか無いと言う。
交差点の交通標識の裏にぼた山の写真。
飯塚はぼた山を文化的名物として大事にしているようだ。
ぼた山は石炭が含まれているので、自然発火し、夜は異様な光景だったようだ。
今残っているぼた山は、もう火はつかず、樹が生い茂り、ちょっと見ると普通の山のようだ。

さて、新しい町に通うことになった時、真っ先に必要なのは、得意の店。
その町で、魚系の、美味しくて、価格も手頃な店を、地元の人に聞いて見つける。
見つけたら、浮気をせずに、行く度に通う。
そうすると、お得意さんにすぐになり、美味しいものを出してくれる。

仕事が終わってすぐ聞いた「この町で、おいしい店はどこですか?」
一番年配の方がすぐに「それはむつごろうです」

刺身の盛り合わせに、活イカが入っている。
ゲソの部分がにょろにょろと、うごめく虹のように光っている。
目を近づけてよく見ると、内部が光りうごめき、宇宙的だな。

「アラのあら炊き」というのがある。
大型高級魚のクエを、九州ではアラと呼ぶ。
そのあら炊きだから「アラのあら炊き」
身がしっかりしまって硬く、皮も頑丈だ。肉感、食感がたっぷりの身と軟骨、スジをまとめて楽しめる。
アラを食べ終わった所に、さっきのイカのゲソが焼かれて出て来た。
ゲソの軟骨がうまいんだな〜〜。

半年ばかりこの料理屋楽しめるな。

2009年10月14日水曜日

サザエの肝





45年前へのタイムスリップでびっくりし、気持ち落ち着かせるのに大井三つ又の時々行く寿司屋に。
ここには村松友視の小説「時代屋の女房」の舞台になった歩道橋がある。
主人公になる時代屋という骨董品屋の女将が、この歩道橋の上を日傘くるくる回しながら登場する。
その歩道橋から50メートルほど大森に向かって左側。
すし処さいしょ

店主は毎朝築地に行き、全国各地のいい魚介類を少量ずつ買い集めて来る。

大きなサザエが1個あり、つぼ焼きにしてもらった。
殻がでかく厚く重い頑丈型。
海のミネラルたっぷりのサザエの身をつまみ終わり、奥の肝を取り出そうと箸を突っ込んだが取れない。
大将がひょいと持っていき、皿の上で力を入れてとんとんたたいたら、どばっと肝が落ちた。
でっかい肝がごろんと皿に乗せられて帰って来た。
写真に撮ったらすごい迫力で、食べごたえがある肝。

「遊びです」と言って、稲穂を模した刺身のツマが出て来た。
へえ〜〜〜、秋だね〜。

ちょっと寿司をつまんで仕上げ。

2009年10月12日月曜日

時が停まったふるさと


品川区二葉町は私が中学1年から結婚するまで住んでいた町。
中学の頃からにすれば、45年前。
近くに来たので、ぶらぶら行ってみた。

住んでいた家の斜向いに時々本を買いにいった峰岸書店がそのままある。
店の奥に80歳以上、90歳にもなろうかというおじいさんが背をまっすぐに伸ばして座っている。
あのおじさんだ! 峰岸書店のおじさん!
元気に店に出ているんだ!

時々食べにいっていた日本蕎麦「更級」もそのまま。
銭湯の大盛湯もそのまま、夕闇の中に昔は無かった自動販売機が光っている。
小さな風呂屋に4台もの自動販売機が必要なのだろうか?
私が子供の頃には、番台の横の冷蔵庫から出しておばさんから買っていた。

仕事を始めてから、風呂のついでに洗濯したコインランドリーもそのまま。
洗濯中に呑んでいた秋田のおばさん姉妹がやっていた居酒屋「能登」もそのまま。
あちこち、あまりにもそのままなので、ドキドキして来た。
ああびっくりした!