2009年6月30日火曜日

日光の湯葉と金谷ホテル






日光のベーカリー視察、会津若松の馬肉工場視察、宇都宮でセミナーと続いたので、日光の老舗、中善寺金谷ホテルに泊まった。
ここは海外のVIPが大勢来られているところで、チャーチル、リンドバーグ夫妻、各国王族、吉田首相などの写真が展示されている。
日光市内と中禅寺湖半には湯葉の看板があちこちにある。
何で日光に湯葉かと聞いたら、その昔、京都からお坊さんが来て、京都の食を持ってきて定着させたそうだ。だから湯葉名物の街は京都と日光。

ホテルの夕食は洋食のフルコース。
まずはビールだが「KANAYA BEER」というのがある。
これはイギリスのビールに近い味で、本格的。

オードブルに湯葉が出て来た。
洋食に湯葉は初めて。
地産の野菜を使い、薄味のドレッシングなので、湯葉のおいしさが損なわれず、逆に引き立てられている。

金谷ベーカリーで焼いているパンは実においしいのでおかわり。

魚は八汐鱒のポアレ、肉は骨付きラムの香草風味カツレツ、それにシェフサラダ。
どれも品の良い薄味で、素材のおいしさを活かしている。
こういう歴史的素朴なフレンチ、久しぶりだ。
何か、とても落ち着く。
サービスもまた自然でフレンドリー。高級ホテルによくある慇懃なサービスは鼻につくが、この金谷ホテルのサービス、実にほっとする。

鳥の声とさわやかな風で目覚め、どっしりと濃い硫黄の香りたっぷり詰まった露天風呂で汗をかいたあとの朝食は、さわやかな緑の下で、たっぷり食べてしまう。

2009年6月29日月曜日

アンキモの刺身



「今日はアンキモの刺身があります」
刺身は食べたことないなあ。
塩とレモンが付いてきた。
「塩に、レモンを絞り込んで、それをつけて食べて下さい」
今日の3人、一斉に「うわ〜〜〜!!」
これはすごい、カワハギの肝をまとめて大量に食べたみたいだ。
これだけ鮮度のいいアンコウ、そうはないだろうな〜。

このあとカワハギの刺身が来たのだが、下に肉をとった骨と頭が置いてある。
「これ、どうするの?」
焼くか揚げるか、と言うと思ったら「仕上げとして、スープをとって、煮麺なんてどうですか?」
わ〜〜〜、それそれ!
でっかい鉢に入って出て来た煮麺に全員ハイエナのように飛びつき、あっという間に無くなり、写真撮るの忘れた。

2009年6月26日金曜日

ホヤの偏見





海のパイナップルなどと言われているが、大きなホヤがどんと置いてあるので「それをちょっとだけ、全部じゃないよ!」
ホヤは新鮮かどうかで天地ほど違う。
「ホヤは絶対食べられません」という人がこの店に来たので、試しにほんの一口食べてみたら、とけしかけたら「おいしい! おいしい!」
前に食べたホヤは「臭かった」そうだ。
鮮度が落ちていたのを食べたので、そんなものだと食べなくなったわけだ。
こういった不幸な間違いや偏見は結構ある。

塩ウニが来た。
ウニに高品質の塩を加えて練ったもの。
ウニの風味が塩で濃くなって舌に絡まる。

小さなカレイをさっと揚げたのが出て来た。
「ハーモニカのように食べて下さい」
頭と尾を持って、真ん中の側線を軽く囓ると、はらりと肉と縁側が外れる。
若々しい、さっぱりしたカレイだ。

あちこちで、今日のタケノコはどうしたこうしたと聞こえるので、「まだ食べてないけど……」と言ったら、忘れられてた。
しっかりした味の姫竹だ。
「これは今年最後のタケノコ、あとは来年」

2009年6月25日木曜日

きんこ





久しぶりに盛岡の「横綱寿司

この店はいつ行っても繁盛している。
7時頃入ったら、ちょうど二人帰ったところで、うまくカウンターに座れたが、しばらくしたら7時半に二人の予約が入っているというので、端にずれ、これでカウンターは満席。
お客さんの質もいい。
いい店にはいい客が集まる。

最初にウニ1個丸ごと出て来た。
小さなヘラに焼き味噌のように何か塗りつけて焼いているのは、ワラビ。
いつものように刺身いろいろ一切れづつ出してくれる。

イカに何か詰めて丸切りしたようなのが出て来た。
これは「きんこ」
子持ちのナマコを蒸して、丸ごと薄くスライスしている。
この時季しかない。
中の卵がねっとりと粘り着くよう。
外側の輪っかはナマコ独特のコリコリさわやか食感。
初めて食べた、こんな珍味があるんだ。

2009年6月24日水曜日

小料理屋で餃子





米沢の「志乃」では、魚のいいのを出してくれたり、季節の山菜も楽しみだが、時々まかないも出て来る。
このあたりはイカの刺身とワラビを一緒に食べる習慣があるそうだ。
なんでも、おいしいイカ刺しが昔は山中なので無かったから、イカ刺しのとろとろ感の代わりにワラビを一緒に出したところから来ているという。

山芋と焼き茄子をサンドイッチにしたのが出て来た。
こうなると京風ともいえるな。
焼き魚が出て来たあと、まかないの餃子が出て来た。
ここの餃子は、野菜が多いさっぱりヘルシータイプ。
一緒に出してくれた、ラー油、醤油、酢が、家庭用、いかにもまかないで楽しいねえ。

2009年6月23日火曜日

焼き明太子



博多セミナーが終わり、打ち上げに皆さんといつもの「せいもんばらい」へ。

ここはいつでも予約いっぱいで、予約なしで6時も過ぎれば並んでいる。
先日一人で行った人に聞いたら、40分待ったそうだ。

刺身盛り合わせにはいつも活きたミニアワビが入っていて、これにレモンをかけると刺激でにょろにょろとうごめき、そこをぱくっと一口。

博多名物はめんたいこだが、博多っこはこれをレア程度に焼いて食べる「焼き明太子」
これを一口囓ると御飯が欲しくなるが、まだまだつまみが来るので、我慢我慢。

2009年6月22日月曜日

豆ご飯






仕上げの前に鯨のベーコンが来た。
私が子供の頃は安いタンパク質の代表みたいだったのに、今は高価豪華なメニューになってしまった。
大事に、慈しもう。

仕上げは、焼き魚、ご飯、味噌汁、と、古風お決まり。
魚は鰯、味噌汁はアサリ、そしてご飯が、なんと、豆ご飯。

私にとって豆ご飯は特別。
大昔、最初の子供が生まれる少し前、仕事で無理して体調崩して2週間ばかり入院したのだが、栄養はいくらでもとっていいと医者は言うのに、肝心の食事がまずくてまずくて、その上一日二食主義の病院だったのだ。
二食主義とは言っても、病院側のコストダウンで勝手にそうしてるんだろうけど。
そこで、腹がパンパンになった家内に弁当を持って来てもらっていた。
そのときのご飯がちょいちょい豆ご飯。
毎日のように持って来てもらい、ベッドの上であぐらかいて食べた豆ご飯、忘れられないねー。感謝してます。

豆ご飯、豆粒が大きくて、ポクポクしている。

2009年6月19日金曜日

博多の魚






博多には玄界灘や長崎から美味い魚が集まってくる。
全国セミナー博多開催の前日、まずは「ふじ本」へ。
TEL092-271-1968 ホテルオークラ、正面玄関を出て右の信号渡ったところ
ここは博多に来たら必ず来る店。
この店、いつ行っても、最初の突き出しは名物ふろふき大根。
冬なら普通だが、夏でも同じく熱いのが出て来る。
トッピングがその都度違い、今回はとろとろのスジが乗っている。

ホクホク食べているところに、ゴマサバが来た。
ここで使っている胡麻はぴかぴか光っている。
鯛の刺身は一瞬湯引きしてあり、皮が香ばしい。

ここのコノワタは繊細なんだよな。
ウズラの黄身との相性がいい。

大きな揚巻がが来た。
貝から身がはみ出している。
加熱のタイミングが抜群だとこうなる。
焼いていて、わずかに膨らみかかったところであげる。

2009年6月17日水曜日

アサリのスパゲティ


夏に入っても、大きくたくましいアサリはあるが、価格は小さいのの2倍だ。
しかしこの横綱あさりの魅力には負ける。
豪快にバシャバシャ炒めていたので何かと思ったら、スパゲティになって出て来た。
汁までスプーンで飲み尽くしてしまうな。

2009年6月16日火曜日

焼き鯖寿司




最初出て来たときは衝撃的だったが、消滅せず、長く売れ続けている「みち子の鯖寿司」
最近では吉祥寺のデパートでも売っていて、時々買ってくる。
脂たっぷりの鯖だけでなく、中にちょっと挟んである椎茸と生姜が隠し味で決まっている。
まじめに、品質落とさず、うれしいね。

2009年6月15日月曜日

鱧(はも)一番





春が過ぎ、時々暑くなる日が出て来ると、鱧が待ち遠しい。
今年の鱧一番は、お茶の水の天ぷらだった。
半透明に花びらのように開いた落としは、初夏の象徴だ。

腹が減っていたので、途中でちょっとつまみ寿司。
5個だけの皿なので、ちょちょいとつまんで、天ぷらに続く。

天ぷらも稚鮎が出て来た。
茄子の天ぷらも初夏だな。

2009年6月11日木曜日

西遊記






北京から西域、そしてアラブまで、シルクロード味の旅が名古屋で出来る。
名鉄グランドホテルの中華「カンメイホウ

ここは北京の宮廷料理のシェフなのだが、焼き餃子など、日本人に合わせた料理もある。
メニューを見ているだけで楽しい。
ラクダの瘤だの、スッポンの縁側と、とんでもない料理も沢山。

今日は、まず、
白菜の洋辛子づけは、ぴりっと刺激的香り。
アワビの蒸し煮は、厚いアワビが軟らかくふくよか。
茄子のニンニク醤油は、つぶしたクルミがぱりぱりと茄子と合う。
ミミガーは、ごままぶし。
これは絶対食べなければ、焼き餃子。一人2つずつ。
出ました! ラクダの瘤(こぶ)は、脂肪の塊で、これでラクダは砂漠で生きられるのかと納得。
ナマコと豆腐は、これだけ食感が違うのがどうして融合するのか不思議。
そして、西の果てに行き、羊のイスラム風。香辛料がアラブのまっただ中。
アラブに行ったと思ったら、今度は揚子江河口あたりに一瞬戻り、ナマコとボラの浮き袋。
魚の浮き袋は、香港の食材問屋街を歩いていると、風船のように膨らませて売っている。
これがスープや料理になると、どうしてこんなに変貌するのかと思うほど、とんでもない素晴らしさになる。
そしてまた山中に入り、鹿肉の黒こしょう和え。

東から西へシルクロードを走り、アラブに行ったと思ったら瞬間東の海べり河口に戻り、そして山中。
この店に来ると、西遊記そのまま。
不思議な旅が出来る。

2009年6月8日月曜日

蕎麦街道



米沢市郊外の置賜は、田畑の間などあちこちに蕎麦屋があり、13軒だかが登録連携している。
そのうちの1軒は「ぶどう松茸ライン」というローカル道路の脇にあり、周りは米沢米の田んぼや蕎麦畑。席数12ばかり。
いつもはざるそばだが、同行者がメニューにかき揚げがあるのを見つけて頼んだ。
大きく、立体的にさっぱりと揚げられている。
蕎麦はつやつや、タレは薫り高く、毎回山菜や漬物がちょっと付いてくる。
初夏の風がさわやかに抜けていく店内の端には、焼酎の一升瓶が名札をつけてずらりと並んでいる。夜は居酒屋になり、仕上げに蕎麦で、代行で帰るのだろう。
米沢の田舎を走るのなら、蕎麦屋を探してください。
店を出るとき「おしょうしな」(米沢弁で、ありがとうございます)

2009年6月4日木曜日

山菜パーティー






春の終わり、夏の初めの東北は、風さわやか、水(酒)おいしく、そして山菜が最終時季。
今年も米沢の「志乃」で山菜パーティーを開いた。
しどきはとろとろで、山のえぐみが新鮮。
しおではアスパラを田舎風上品にしたよう。
どほなはしゃっきり。
あざみは米沢名物唐辛子をちょっとまぶして香りいっぱいのこってり。
ウドは初夏の苦み。
姫竹は白味噌煮で初物のキシキシ感。
ワラビの一本づけはあらあらしい野生。
仕上げはアザミとウドとタラの芽の天ぷら。
タラの芽は山菜の魅力爆発。
ああ、満足満足!
では、また来年。