2011年11月30日水曜日

ハタハタの焼き方


豊橋の居酒屋「巳庵」にハタハタがあった。

このあたりでハタハタは食べないので、何人かの客が「どんな魚?」と聞いていた。
私も頼んだら、結構時間がかかってから、カリカリに焼いたのが出て来た。
ハタハタは中の卵を半生程度に焼くと、卵が納豆にように糸を引くが、これが美味い。
でも、この焼き方で豊橋の客に出したら文句が来そうだな。
大将は知らなかったが「でも、豊橋だったら、この焼き方で良いんじゃないかな?」
カリカリ焼きはまた違った味になり、面白い。

昔、秋田の海岸沿いの子供達は、海岸にたくさん打ち上げられた卵を、ガムのような感覚でくちゃくちゃと齧っていて、お菓子代わりだった。
大将「へえ〜〜! 勉強になります」

この店、若い大将とスタッフで頑張っている。
なかなかのメニュー構成。
カウンターが禁煙だったら良いのにな。

2011年11月28日月曜日

鶏と牡蛎



「今年最後の菊です」
菊も後半になると大きくなるようだ。豊かな花びら。

秋の終わりと冬の初めの牡蛎は、既に丸々と太っている。
牡蛎の風味が一味深く感じて、スープの底を探ったら、鶏肉が出て来た。
食べたら地鶏。
これがスープを芳醇にしているのだ。
牡蛎に鶏。
すごい発想だな。

2011年11月25日金曜日

鴨鍋クレソン



博多駅から快速で40分。
飯塚での仕事が終わったら「帰るんですか?」
帰るわけないでしょ!
飯塚来たら寄らなくっちゃ。
むつごろう

この店、結構広い店で、何回か行っているが、いつもいっぱい。
飯塚って、そんなに大きくない町で、他にいくらでも飲み屋があるのに、どうなってるのかな?
確かに美味しいし親切だから、人気があるんだろうな。

「あらかぶ」という魚の唐揚げ。
骨ごとバリバリ。

鴨鍋だが、こっちはクレソン入れるのだそうだ。
鴨も生ではなくローストしたのを使う。
クレソンがこの鍋にちゃんと合うんだからびっくりした。
仕上げも不思議なことに、この鍋汁の残りに、何と蕎麦を入れる。
これまた美味かった。

この宴会に中国からの研修生が入り、日本語分かるので、最近の中国の道徳事情について聞いたら「日本に来て、中国ダメなのよくわかった!」

2011年11月22日火曜日

フグ皮セット






松江から博多に行くのに福山で途中下車して一泊。
久しぶりに「八寸

昨晩は山陰の味で、今晩は瀬戸内。
幸せだな〜〜〜

いきなり蟹の子が出て来た。
ねっとりと舐める。
冷たい焼酎が合うなあ。

ここに来ると、フグの皮セットを出してくれる。
外側の皮、その下の皮、そして更にその下の皮。
最も外側は荒々しく、その下は豊かな味で、その下はさっぱり上品。
すり身の焼いたのが出て来た。これこれ、瀬戸内の味。
てっさが出て来て、そのあと焼いた白子と骨付きの身。
瀬戸内はこれから冬に向かってますます美味しくなるな。

2011年11月21日月曜日

紅葉の丼を開けたら



紅葉だらけの小さめの丼が出て来た。
季節をモロに表している器だな。
開けたら、葛を使ったのだろうか、とろみのあるスープにほぐしたカニの身が広がり、その上に厚いフカヒレが1切れこんもりと乗っている。
和食というのは、こういったスープスタイルが酒のつまみになる所がいいね。

大将、松葉蟹の解禁日で買ってきたカニの身を、せっせと甲羅に外し乗せている。
どうするのかなと見ていたら、ていねいに外した身で山盛りになったのを、私の前に「はい、どうぞ!」
これで3人分。
3人でわあわあやっていので、外してくれたのだろうか。
蟹を食べ出すとどうしても寡黙になるが、これならおしゃべりも弾んだままだ。

仕上げは、鯛たっぷりの湯漬け。
山陰の秋、美味しいの満載だね。

2011年11月17日木曜日

焼き天ぷら



大将がカウンターの前に炭火コンロを出した。
何をするのかと思ったら、揚げた天ぷらを焼き出した。
途端に50年前にタイムトラベル。
私の親父はカツ丼を作る時、揚げた豚カツをいったん焼き、ぱりっとさせてから作っていたのだ。
揚げてから焼くと、油が飛んで、さっぱりとなり、また違った美味しさが出る。
さっと焼いたのを、イギリスの塩でパリパリと。

2011年11月16日水曜日

生のシシャモ




米子のセミナーが終わって隣町の松江へ。
いと賀

カウンター目の前の大将が巨大なワカサギみたいな魚を串に刺している。
「な、な、何その魚?」
「はい、これは珍しい、生のシシャモです」
北海道の厚岸でしか捕れないそうだ。
初めて見た。
知らないで食べたらシシャモとは分からないだろう。
上品な白身。

2011年11月15日火曜日

タイのお頭黒胡椒焼き






シタディーンのフロントで周辺飲食店案内を貰ったら、歩いて行ける範囲で飲食店が固まっているブロックがあるのが分かった。
慎重に見歩いて、これはどうかという一軒に入った。
一知富士

メニューに「絶品焼き枝豆」とある。
空豆は焼くが、枝豆を?!
「はい、それはお勧めです」
というので、とりあえずと頼んだら、目の前のオープンキッチンで、フライパンにバターを敷き、枝豆を炒め出し、塩も入れた。
食べて見ると、洋食風の枝豆だ。これは面白い。

1人なので、希望の刺身を少しずつ盛り付けてくれるという。
季節感あふれるていねいな盛り付け。

「タイのお頭黒胡椒焼き」なんてのもある。
ブラックペパーをかけて鯛頭をサラマンダーで焼く。
これもまた見事な味に出来上がっている。
この店、居酒屋の洋風若者向けだな。

仕上げは焼き明太子茶漬け。
スープ入れないで、焼酎飲みながら半分食べてしまった。
残った半分にスープたっぷり注いでグビグビ。
ここに至るまで散々時間かけてグズグズやっていたのに、茶漬けになった途端一瞬だな。
価格も安く、お勧め。

2011年11月14日月曜日

天狗の山道




出張週間中の京都の祭日。
鞍馬寺に叡山電鉄で。
このローカル鉄道は11月半ばから月末まで沿線紅葉のライトアップをする。
色づいた紅葉の光の中を、トロトロとこの旧式電車が走る。
きれいだろうな、しかし混むだろうな。

鞍馬寺の裏から、貴船神社に行くまでの山道があるのでぶらぶら行き始めたのが間違いだった。
急な石段だらけ。
途中で後悔して戻ろうと思ったが、中ほどから下り坂になるはずだから、もう少し、もう少しと行くが、なかなか頂上らしき所に出ない。
下りにやっとなったと思ったら脚に体重がかかるので、がくがく。
どうなろうと、もう歩くしかないというか落ちるだけというか……
脚踏み外したら転げ落ちるな。
結局2時間、天狗の山道を革靴とジャケットで歩いた。
ああ、きつかった。

下界に戻り、ゆっくり風呂入って、さあ、今晩は何食べるか?

2011年11月11日金曜日

クエの酒蒸し





京都の西北「神馬」(しんめ)

出汁のうね乃さんが新幹線雑誌「ひととき」に紹介していた居酒屋。
古風な玄関を入ったらカウンターに入っているおばあちゃんが「どなた様?」
しまった! 満席なのかと見回したら、奥のカウンターは十分空いている。
名前言っても仕方ないので「1人なんですけど……」
「ではそこに」と、入り口付近は満席のカウンターでただ一つ空いている所を案内されたので「奥の方でもいいですよ」と言ったら「全部予約入ってるんです」
最後の一席だった。
私の直後に来た地元らしい2人連れは「またあとで来て見て」と断られた。
店内は数十年前のまま。

「クエの酒蒸し」はしっかりした身を薄味ていねいに蒸してある。
その横に身が貼り付いている骨が添えてあり、貴重なところを大切にしている。
メニューは一品千円前後の物が多い。

焼酎「神馬」は、芋と麦の両方あるというので「芋を」
ロックで頼んだら、氷が入ったグラスと一緒に、1合入りのガラス徳利にたっぷり入れた焼酎が来た。これはうれしい。

焼酎お代わりしながら料理いくつか食べていると、勘定計算は数字が入った表に赤鉛筆でチェックする懐かしい方式。
お勘定といったら、ご主人が出て来て、さっきから気になっていた超古風木製レジスターの所で支払い。

2011年11月9日水曜日

生牡蛎ポン酢秋の盛り付け



大阪セミナーが終わって翌日は福井市でセミナー。
そこで大阪に泊まらず、福井へも行かず、京都へ。
福井が終わって翌日は祭日で、その次の日は再び大阪で調査があるので、今回は京都3泊潜伏。

京都はシタディーンという隠れたようなアパートメントホテル。
ここは小さいながら世界チェーン。
パリ、ブリュッセルでも利用していて、簡単なキッチンがあり、広く落ち着ける。
キッチンカウンターには小さな折り鶴がさりげなく置いてあり、ここら辺は日本のセンス。
チェックインしてすぐに「志る幸」へ。

ここは「利休弁当」で有名だが、量少しで高品質な京料理がたくさん。
ちょこちょこ頼みながら、ここのおいしい焼酎をちびちびやる。
私ぐらいの歳のおじさんが2人別々に1席開けて座っていて、今日は店内混んでいるので、私がその間に入ってしまった。
1人ちびちびのおじさんが3人並んでしまった。
おじさんちびちびは1人がサマになるので、3人も並んだんじゃ変な感じ。
まあいいや、こんなこともあるだろう。

生牡蛎ポン酢には初秋の葉が飾り付け。
暖かいから紅葉にはまだまだで、モミジの葉は青々。

2011年11月7日月曜日

鱧の浮袋






松山に行くのに羽田に行ったら、昔のデザインに塗装した全日空の機体があった。
奥ゆかしさがある。

松山のセミナーが終わったらすぐにタクシーで飛行場に駆けつけ、大阪伊丹空港まで、久しぶりのプロペラ機でふらふら1時間。
大阪で泊まることはあまりないが、仕方ない時は第一ホテル。
この丸ビルには伊丹空港からバスがそのまま着くので便利だし、ホテルも親切。

大阪であまり泊まらないのは、私好みのおいしい店がこの30年の間ほとんど見付かっていないから。
今回見付かるかなと、ホテルから2ブロック歩いた北新地をきょろきょろ。
8時前だったので、クラブに向かうおねえさん達がボーイ達に「おはようございます」
こういう世界にはもう何十年も足を入れていないな。
あちこちの居酒屋料理屋のメニューを吟味して、結局2階の店へ試しに。
ぶんろく

とりあえず冷奴を頼んだら、厚切りに削りたてのかつお節が乗っている。
これはなかなか良さそうだ。
鱧の肝煮を頼んだら、浮袋が付いてきた。これは初めてだ。
鯨のベーコンも素晴らしい。
とり皮ポン酢は、地鳥の皮で、とても硬くしっかり。これも良い。
そこで地鶏塩焼きを頼みたいが、1人じゃなと迷った所へ「半分焼きましょうか?」
これはうれしいサービス。
仕上げは大阪に来たんだからうどんにしようと「この辺でうどんのおいしい店は?」と聞いたら、「ウチのうどんは自家製でおいしいですよ」と、メニューに無いのを勧められた。
すうどんは腰があって出汁も良く、満足満足。
大阪で泊まる楽しみが出来たな。

2011年11月4日金曜日

1108ロンドン41:ワインのグラスとボトル






昨年オックスフォードに行ったので、今年はケンブリッジ。
キングスクロス駅から直行で45分。エコノミークラス往復券30ポンド。
どちらも同じような街で、大学がいくつもあり、その回りに商店とお土産店。
数百年の歴史がある大学は、やっぱり威厳があるな。
夏休みで学生のいない校内は閑散。

戻って、今度の旅行最後のPromsはヘンデル。
歌手の名前が十人以上書いてあるのでどんなんだろうと思っていたが、会場はチェンバロ2台と小編成のオーケストラ。
後方は高く広い台になって空いている。
始まったら、オペラだった。
Proms、いろいろな企画で楽しませてくれるな。

最終の晩は豪勢にレストラン。
Black & Blue」でステーキ。
この店は今回ロンドン来た頃見つけたのと同じチェーン。

ロンドンに7店舗ある。
キングプラウン焼きをスターターで、メインはサーロインステーキ200グラム。
牛肉はもちろん赤身で、熟成してあり、さっぱりと軟らかい。
一口食べて、思わず美味いと口走った。
サイドオーダーでスピナッチを貰ったが、これもいい。
ロンドンで見かけたら是非どうぞ、安くて美味しい。
特に和牛とイギリスの牛の味の違いを知りたい方は行くべき。

1人か2人でレストランに行くと、ワインをボトルで頼むかグラスか迷う所で、ボトルで頼んで余ったらもったいないし、グラス何杯にもなるなら高くなるし。

この店でチリのシャルドネをグラスで頼んだら、メモリ付きのグラスで、250ミリリットルきっちりと入れてある。これが6ポンド。
同じワインをボトルで頼むと18ポンド。
どっちでも同じ。
他のワインも同じ。
こういうのいいね。

さてと、コンサートチケットたくさんあったの全部無くなった。
ロンドン来た頃、Promsが終わって外出たら薄明るかったが、今はもう真っ暗。
朝夕はさらに寒くなってきた。
これからロンドンは秋から冬に向かってまっしぐら。
帰る頃だな……

来年はロンドンオリンピックなので混むし高いから来れないな。
再来年、また。
1108ロンドン、お終い。(11年8月末)

2011年11月2日水曜日

1108ロンドン40:イベリコ豚のフレッシュ






セルフリッジの肉売り場にイベリコ豚のフレッシュがあった。
日本では冷凍のがやっと手に入るぐらいなので、これは食べなくっちゃ。
ロインチョップを1枚買ってから、横の魚売り場を見たらマグロの赤身が目に入り、ふらふらと「薄く1枚切ってください」

今日のPromsのメインはプロコフィエフの交響曲5番。
初めて聞く曲がどんどん出て来るのがPromsの醍醐味。
この曲を一言で表現すると、派手で壮大。
余りの迫力に、聴衆大喜び。
終わって外出たら、ロイヤルアルバートホールのライトアップがきれい。
演奏に満足した人々がさんざめきながら出て来て、シルエット。

帰って、イベリコ豚を焼き、フライパンに残った油でオリエンタルスーパーで仕入れたモヤシを炒める。
イベリコ豚、素晴らしい!
硬いと思ったら、軟らかい!
モヤシも水分たっぷり保持してパリパリ。(11年8月)

2011年11月1日火曜日

1108ロンドン39:フォードさんのハンバーガー






今日のProms前半は現代音楽。
Kevin Volansという人の、バイオリンコンチェルト3番。
現代音楽というのは今までさっぱり分からなかったのだが、今回いくつも聞いていたら、理解は出来ないが、面白くなってきた。
面白さの元は、多数の打楽器と使い方だな。
見たことも無い打楽器がいろいろあった。

後半は誰でも知ってるブラームスの代表作、交響曲1番。
力入っていたな〜〜〜!
聴衆絶賛。
こんなことやって、毎晩8千人が熱狂してるんだから、ロンドンいいね。

ハロッズの肉売り場に分厚いハンバーガーパティが3種類。
タダのハンバーガーでは無い、
左から、リブ、サーロイン、フィレのハンバーガー。

自動車のフォードさんの何代目か知らないが、気に入ったレストランがあって、いつもそこで食べていたメニューがあるというので、ある人が店に行って食べさせて欲しいと言った。
そしたらシェフが来て「いいですけど、フォードさんの料理は食べるだけじゃ分からないと思いますけど、ちょっと厨房まで見に来てくれませんか。あまり教えたくないんですけど、特別にお見せします」
厨房に行ったらシェフは分厚いサーロインステーキを切り出し、それを横にあったひき肉器に突っ込んでミンチにし、手でパタバタと円板状に固めた。
「これを焼くんです、サーロインステーキの肉だけを使ったハンバーグ」

100%・サーロイン・ハンバーガー 1個4.5ポンド、580円ほど。安いな。
つややかな香り。
肉粒をかみ砕くと、一粒ごとに肉汁がはじける。
脂肪とのミンチだと、脂肪の香りだが、これは赤身の香りだ。
しっかりかみ砕くと分かるが、そうでないと、ただ単にボソボソ
おにぎりの美味しさは、齧ると崩れ、しかし1つの米粒は、表面の弾力と中のジューシーさがある。このハンバーグ版がこれだ。
1粒1粒をじっくりを齧るとよくわかる。
フォードさんの気分。(11年8月)