2010年5月31日月曜日

巨大オコゼ





豊橋でいつも行くおいしい居酒屋で、オコゼの活き造りがあるので頼んだら、オープンキッチンのまた板の上に巨大なオコゼがドタッと置かれた。
すぐに包丁を入れようとしたので「ちょっと待った!」と、撮影。
こういった白身の魚は、フグのように薄造りだが、これだけ大きいと雄大な皿になるな。

三河の酒だと言う、特殊な日本酒があった。
「玄米古酒 秘蔵三十年」
色が紹興酒のようで、味もどことなく似ている。
珍味と言うか、珍酒だな。

仕上げはシラス入りのおにぎり。
豪快さがいいねえ。

いい気持ちになり、腹が一杯になったところで、隣に来た客がタバコを吸い出し、煙がもろに私の方に来た。
何でおいしい店に来てタバコ吸うかねえ?
おいしいの、バカにしてるな。
禁煙にするか、せいぜい喫煙者を風下の方に閉じこめてくれないかな〜〜〜
すぐに退散。

魚貝三昧 げん屋

2010年5月27日木曜日

白とブラウン




サントリーホールの前、カラヤン広場で、毎週土曜日の10時から2時ごろまで生鮮市が開かれている。
場所が場所だけに高いのではないかと思ったら逆で、安く、朝採りの野菜が関東近県から集まって売られている。
巨大なホワイトマッシュルームも仕入れた中にある。

家に帰ったら、息子が浦安の市場から仕入れた魚などの中に、巨大なブラウンマッシュルームが混じっている。

食べたいもの、同じだな、困ったもんだ。

両方一緒に炒めて、どっちがおいしいか食べ比べ。

軍配は、ブラウンだった。
でも、白もさっぱりして素晴らしいんだよ。

2010年5月25日火曜日

熊にもいろいろ

冬、竹盧山房で熊を食べた。

熊がこんなにおいしいのかとびっくりした。
数年前前食べた熊は、缶詰で、北海道のヒグマだった。
竹盧山房で食べたのは、新潟と山形の境目辺りの月の輪熊で、正真正銘のジビエだった。
トレーサビリティの写真付き。

先日また竹盧山房に行ったら、まだ熊肉はあると言う。
冷凍保存してあるのだ。
早速注文。
食べたら、前回の熊とはまた違ったおいしさ。
前回の熊は、脂肪の味が豊かで、「力士」といった所かな。
今回の熊は、脂肪が野性味たっぷりでしゃきしゃきしており、「サッカー選手」。出身は秋田県だそうだ。

飼育しているのでは無く、勝手に独立して、全く違った地域、つまりは餌を食べているのだから、個体によって味が違うのは当たり前だ。
これがジビエの面白さだな。

2010年5月24日月曜日

タケノコご飯





時々下田に行くのは、のんびり温泉と一緒に、温暖な地方のおいしい野菜を仕入れることもある。
湯の花観光交流館

ホームページだけ見ると単なる観光案内所に見えるが、ここの野菜直販所は、地元の皆さんが買いに来る安くて良い売店。
客のほとんどが地元の方。
昼過ぎに行くともう半分程が売れてしまっている。
ある時茎が太く、頑丈そうなブロッコリーがたっぷりあったので、翌日帰りがてら買って行こうと、翌朝行ったら何も無かった。
このとき買って行った「人力米」と言う、休耕田を使ってそれこそ人力でつくっている米がびっくりするほどおいしかったので、今回探したら、売り切れて無かった。
売店の人に「料金着払いで送ってくれないか」と聞いたら、翌朝来るなら頼んで入れておくと言ってくれ、無事入手。

下田で最近行き出した料理店は「旬包丁処 味菜

突き出しに、超厚切りアワビが肝付で出て来た。
お椀を開けたら、見事なグリーン。
この間行った京都高桐院のグリーンのようだ。
これはアスパラのお椀。

仕上げのご飯を開けたら、タケノコの香りが湧き上がった。
タケノコのスライスでは無く、千切りが乗っている。
「それは、竹の子の皮だけです」
へえ〜〜〜! こういう方法があるのか!

2010年5月20日木曜日

脂肪を取らないで



ウイーンでもパリでも、豚肉は皮も含めてたっぷりの脂をそのままカットする。
脂がおいしい。
ところが日本でいわゆるブランドの豚肉を買うと、せっかくの脂肪をトリミングしてしまっている。

「オーダーカット」と書いてあるので「脂肪を取らないで」と言っているにもかかわらず、出て来たのはもう脂肪が無い。
これは入荷したブロック肉はもうかなり脂肪がトリミングされているのに、さらに「表面が汚れている」と言う理由で、店でさらにトリミングしてしまい、そのブロックから切り出すからだ。
店に入った時点で脂肪がトリミングされているのは、店側の要請。
脂肪が多く付いていると店から供給パッカーにクレームが行く。
「5ミリアンダー」「3ミリアンダー」などと言って、脂肪厚が規定厚以下にトリミングした規格で購入するからだ。

一般的にはこうなっているので、店でオーダーカットとなっていても、既に脂肪はかなり無くなっている。その上に店で「親切丁寧?」にトリミングしてしまう。
店の作業室を覗くと、大量の、真っ白いおいしそうな脂肪がゴミ箱に放り込まれている。
ああ、もったいない。

カットの厚さもそうだ。
「厚く切って」と言っているのに、出て来るのは薄切り。
そこで「2センチ」と言うと、出て来るのは1.5センチ。
肉屋さんの感覚では、厚くなると1枚あたり高くなるから、とか、厚かったら焼きにくいから、という「恐怖心」「親切心」なのかもしれない。

大きなお世話だ。
物差し持ってきて、言われた厚さに切ってくれ!!〜〜〜

今日は、超厚切りにした、しかし脂肪はほとんど取り去られてしまった、豚のステーキ。
でも、じっくり厚いと、肉汁たっぷりで、おいしいねエ〜

2010年5月19日水曜日

マグロのスジ




太めの蛇みたいな大きな茄子、手の平大の巨大椎茸。
茄子は炒め。
椎茸を網焼きすると、小さな団扇を焼いているみたいだ。

マグロの刺し身用ブロックの端にスジが付いているので、トリミングして、醤油で味付けして電子レンジに放り込む。
こうすると、スジが柔らかくなって、旨いんだよね〜〜〜

2010年5月18日火曜日

山菜採りと鯨の脂肪





山菜で食べられる山ニンジンは、ニンジンの葉を食べるものと思っていたがそうでは無く、茎と葉っぱ。
軽くボイルしてから、少しのマヨネーズ味をつけ、かつお節をかけてある。
しゃきしゃきと山の香りが心地いい。

野菜と一緒に大阪の鯨のコロをスライスしたようなのが乗っている。
これはミンククジラの皮。
元を見せてもらったら、滑らかな皮の下に青みがかった白い脂肪の塊。
昔の人はこれも大事な動物性たんぱく質だったんだろうな。

山菜を採りに深い山中に半年入る夫婦が、重労働の中で動物淡泊が無いと、目が見えなくなるため、鯨の脂肪の塊を持って入っているという話が、開高健のエッセイに出て来る。
囲炉裏にかけた鍋に味噌汁が出来ている。
その上に、30センチぐらいの大きな鯨の脂肪塊が紐でぶら下がっている。
止めるために縛ってある紐の端を解き、脂肪を味噌汁の中にドボンとつけると、脂が汁に広がる。
塊は釣り上げられ、またぶら下げる。
その味噌汁を飲む。
これが労働の元。
毎日これが繰り返される。
そして脂肪の塊が小さくなくなった頃、山菜採りは終わり、下界に帰る。

2010年5月17日月曜日

蕎麦焼酎の蕎麦湯割り






突然のスケジュール変更で、ぽっかり空いたうれしい米沢の丸一日。
ゆっくり寝坊して、メールチェックして、原稿書いて、さてどうしようか。
雨ザアザアなので、映画。
しかし、ロクな映画やっていなくて、仕方なく音楽聞くつもりで「のだめカンタービレ」
音楽はいいのだが、あの出演者のロケをパリのあちこちでやっていたんだから、参っちゃうな〜〜〜

さて、今晩は、蕎麦屋で一杯にしよう。

いつもは昼ちょっとざる蕎麦を食べる程度だが、美味しいので、いつか夕食に行ってたっぷりつまみと酒と考えていた。
粉名屋小太郎

ビールと一緒に、蕎麦味噌が小皿の隅にちょっと練り付けてある。
これこそ蕎麦屋の雰囲気だね。
冷たい生ビールがどんどん吸い込まれて行く。
「このグラス、変だね、すぐ無くなる」
板わさが超厚切り。
ワサビも生の擦りおろし。
つまみ3種盛り合わせは、マグロ、塩から、ワカサギの唐揚げ。
どれも丁寧な調理で、一つ一つ感心する。
「やません」は蕎麦屋定番つまみの一つ。山芋の千切り。

天ぷらが来たから、ビールから焼酎に進展。
蕎麦屋で飲む焼酎といったら、蕎麦焼酎の蕎麦湯割りに決まってる。
焼酎を入れた蕎麦猪口と、何と言うんだか蕎麦湯入れを持ってきてくれる。
ああ〜〜〜これこれ、蕎麦焼酎の蕎麦湯割りを蕎麦屋で。
天ぷらとやっていると、この焼酎もどういうわけか無くなるの早いな?
お代わりに度に「温かいのを」と、蕎麦湯入れ取り換えてくれる。

仕上げはもちろん板蕎麦。
ただの板蕎麦でなく、鴨汁付きの最高峰。
その上に、奥会津産の辛味大根擦りおろしまで付けちゃう。

食べた食べた! 腹パンパン。
これで5千数百円。
「ずいぶん食べましたね〜〜〜!!」
「旨かった〜〜〜! またぶらっと来ます」

2010年5月14日金曜日

餃子ライス割烹版






米沢の志乃で、2月から5月まで、毎月いろいろ山菜楽しめる。
何しろ毎朝女将が自分で採ってくるんだから。
シドキは表面シャキなのに中トロリ。
ユキザサは歯にきゅっきゅっと心地よい。
筍は牛肉と炊いてある。
米沢では野菜などと炊き合わす肉は当たり前のように米沢牛肉。

山菜の合間に魚も。
千葉産のタカベはさっと炙って。
ゴッコ汁はアンコウナベみたいだ。軟骨、ゼラチン、皮、どこもとろとろ。

仕上げは賄いの餃子。
割烹で餃子?!
それに、焼きおにぎりと味噌汁。
餃子ライス割烹版。

2010年5月13日木曜日

音羽昆布






京都五条大橋を東に渡って50メートルほどの左に「音羽昆布」という古い店がある。

ここは、この昆布を使っている原宿の「重よし」のご主人に教えてもらった。

重よしの使っている食材情報はここ


店には見事な昆布がたっぷりと並んでいる。
おばあさんに「重よしのご主人に聞いた」と言ったら、「まあ、それはそれは!」
「一ヶ月ぐらいの間に家で使う」と目的を説明して、4枚ほど選んでいる間話していたら、この店このおばあさんが一人でやっている。
息子さんが50歳の時に亡くなってしまい、跡継ぎが居ないのだ。
おばあさんは80歳。
「いつまで出来るかねぇ〜〜〜」と言いながら、元気。

選んでもらった大きな昆布を、ドライヤーで折る部分を温め、丁寧に割れないように折りたたんで包んでくれた。

家に帰って開けたら、見事!
早速使い出したら、いい昆布は違うんだね〜〜〜
おいしい汁、味噌汁、幸せ。

出汁をとったあと、鍋の底にある昆布を引き上げて、割いたら、厚さが違う。
齧ってみたら、これもうまいんだな〜〜〜
出しがらがつまみになっちゃう!

2010年5月12日水曜日

高桐院とグリーンカレー




大徳寺地区の前に、小さな喫茶店がある。
朝寝坊してホテルで朝食食べなかったので、ここでちょっと食べていこう。

グリーンカレーというのがある。
ほうれん草を使ったカレー。
きれいな緑のカレーだ。
ご飯は五穀米。

辛さでシャキッとして大徳寺内に入り、ぶらぶら歩いて紅葉でよく写真紹介されている高桐院の入り口が、昨日の雨に濡れたグリーンだ。
フランス人のグループがこの見事な緑の入り口にびっくりして写真を撮っている。

さっきのカレーと同じ色だな。
あのカレー、秋になったら紅葉色になるのかな?

高桐院の中から庭を撮ると、額縁に入った絵。

2010年5月11日火曜日

鯛の皮






京都四条河原町の交差点を上がって〔北へ〕最初の細い路地を右折し、40メートルほど行った右側に、見落としてしまうような小さな店「志る幸 (しるこう)

この店に行きたいと以前から言われていたが、お汁粉屋と勘違いしていて「行かない」と言っていた。
勘違いに気が付いて行ってみたら、小料理がいろいろあるし、刺し身は素晴らしいし、能舞台のようなカウンターだし、ちょいちょい行くようになった。

この日は4人だったので奥の一つしかない座敷を予約しておいたら、畳の上にじゅうたんを敷いてテーブル式になっていた。高齢対応かな。

コースメニューに追加する作戦で、最初に出て来た刺し身の盛り合わせは鯛とイカ。
鯛の切り身の上に、鯛の皮がちょこんと乗せてある。
おいしい鯛の皮を丁寧に食べてもらうこの盛り付け。
皮だけ食べるか、身の切り身と一緒に食べるか迷ったが、皮だけ齧る。
これこれ。鯛の皮、魚屋さん、捨てないでくださいね。

焼酎のお湯割りの器がまたしっとりと京都。

鯛の小、筍、ワカメの炊き合わせ。
山椒の葉がきっぱりと香っている。
鯛の小は濃厚。

カモは長浜で食べた最高のと同レベル。

仕上げご飯の器を開けたら、ジャコご飯だ!

4人分のお茶が来たのだが、見渡すとなんかおかしい。
茶碗の中の絵が違う。
集めてみたら、春夏秋冬になっている。
お茶で四季も楽しむわけだ。
これに気が付いて運んでくれている大将の娘さんに聞いたら「はい、そうです」
こっちが気が付かなければ分からないない。
こういうとこ、京都だね。

2010年5月9日日曜日

美味しいもの関係者必読の本3冊ご紹介




「おたふく」山本一力

江戸後期、幕府の金融失策からの不況と、その中の弁当の開発と宅配システムの原点。
丁度今の日本の経済状況にぴったり。人情もたっぷり。
弁当宅配業者必読。

「ホテル」アーサー・ヘイリー

倒産寸前の巨大ホテルで、事件と事故、不正、買収劇が、複数のジェットコースターが絡まるごとく展開して行く。
ホテルの裏側いろいろ。
古い本だが、当時米国で半年間ベストセラーを続けた大ヒット小説。後半に入ったら、ハラハラ、ドキドキ、どんでん返しの連続。
古いニューオリンズが好きな方と、飲食・ホテルサービス業者必読。

「奇跡のタッチダウン 報酬はピッツァとワインで」ジョン・グリシャム

スポーツエンターテインメントだが、イタリアの美味しいのが出て来る。グリシャムはもしかしたら初めて美味しいのを知って書いたのでは無いか? イタリアンの美味しさをこんなに見事に書けるなんて……この文章を読むだけで価値ある本。
美味しいの大好きな人と、イタリアン関係者必読。