2008年4月28日月曜日

氷の冷蔵庫




子供の頃、我が家は小さな家の一画で焼き鳥とラーメンの店をやっていて、「ボクの亀」を飼っている洗面器の横には、氷の冷蔵庫があった。
木製の小さな箱で、上の扉から氷屋さんから買った角氷を入れ、下の扉から食材を入れて冷やす構造だ。

電気冷蔵庫が普及して、このクラシックな氷の冷蔵庫は完全に姿を消した、と思っていたが、お茶の水「山の上ホテル」の和食、天ぷらの店で活躍していた。

お茶の水駅から坂を下っていき、明治大学の手前の路地を右に入った坂上にあるこのホテルは、池波正太郎始め、多くの作家が愛した小さなホテル。
ここのレストランは皆おいしく、中でも天ぷらは有名。
カウンターの前にずらりと並ぶ木製の扉が氷の冷蔵庫。
扉を開けて見せてもらったら、角氷と食材が一緒に入っている。
「数十年ものの冷蔵庫で、大変な貴重品です、しかし氷代が大変」

氷の冷蔵庫の良い点は、食材が乾かないこと。
ラップかけないで、ステンレスのバットに入れてそのまま置いてある。
食材の保管に優しい。
何しろ氷という自然の冷気で冷やすのだから。

ここのメニューは、天ぷらだけでなく、小料理いろいろたくさんで、それぞれが絶品。
穴子の白焼きが出て来た。醤油にわさびだけでなく、天然塩も付いている。
焼き蛤は、殻がころっと膨らんだ本家本元。
ビールの後、カリフォルニアのシャルドネを頼んだが、これも良いものだった。

この店は、いつも混んでいるので、早めの予約が必要。
先日、出張の帰りに、カウンターで一人ぐらい何とかなるだろうと寄ったら、完全満席だったので「隣のバーで呑んで待ってます」
このバーもまた有名で、6〜7名しか座れない。
ビール一杯の後グラスワインを飲み出したら「空きました」
それでは「ばくらい」からいこうか。

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