2010年3月2日火曜日

今年のジビエ-1:月の輪熊



春になり、ジビエの季節は終わった。
ある12月、パリのランジス市場内のポートリー棟を覗いたら、入り口にイノシシが3頭ばかりぶら下がっていた。
奥に行ったら、雉が並んでいた。
ジビエは狩猟肉。
動物愛護では批判があるかもしれないが、狩猟肉を食べるのは人類の歴史でもある。

今年食べたジビエは、まずは吉祥で魅力的な中華を出す「竹盧山房」で熊。
熊といっても、月の輪熊。
山形県と新潟県の県境あたりを仕事場にしているマタギが獲った熊だ。
熊の肉はトドの肉と同じで臭くて不味いというが、この店で食べた熊はそんなことは無いどころか、感動的な美味しさ。
切り身の2/3が脂肪で、それに1/3の赤身がついている。
鯨のベーコン的な切り身だ。
この脂肪が赤身肉とバランスが良く、これが判っていてカットしてあるのだろう。
美味い美味いとあっという間に平らげ、おかみさんにどういうマタギなのか聞いたら、写真を数枚持ってきてくれた。
倒した熊を解体しているリアルな写真もある。
そう、マタギは解体技術も無ければならない。
そしてこのマタギ、この店にも来て食べて行ったそうだ。
会いたかったな〜〜〜
小さめの締まった体で、頬は薄く、眼光鋭い人。
犬を1匹つれている。
マタギを題材にした、熊谷達也の「邂逅の森」という小説があるが、この世界がまだあるんだな。

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