実に手の込んだ最初の八寸の中に、煮干しのような魚が入っている。
サンマが日本海側を北に上がり始めたのが、若狭湾で一部が捕まってしまい、干物にされたのだ。
実にかわいいサンマの干物。
かじると、パリッと折れて、この小さな中に、凝縮されたおいしさが詰まっている。
春一番の鰹(かつお)のタタキは、おくどさんで炙ってあるため、軟らかく火が入り、切り身がなんと、玉虫色に光っている。
仕上げに「お焦げの所を少しだけ」
竃で炊いたお釜の底についているお焦げを、ほんの少しだけ茶碗に入れてくれた。
雅な、京都は銀閣寺前の夕食だった。
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