2010年4月19日月曜日

1004ウイーン10:消える華麗な3千人



ワーグナーの「パルジファル」は、重々しいオペラだ。
重厚長大な音楽はこれこそワーグナー。
3幕目の盛り上がりなんか、ワーグナーの魅力とオーケストラの力量が溶け合い、偉大な力となって聴衆を揺さぶる。
今日の指揮者は来日したこともあり、オペラシティで聞いた事がある。

幕間の休憩は、ウイーンの皆さんのファッションショウもかねている。
真っ白のスーツに赤の蝶ネクタイをしたおじいさんなんか、日本で見たら漫才師にしか見えなくて「客席と楽屋を間違えるな!」と言われそうだが、このオペラハウスの休憩ホールだとぴったりあっているから不思議。
同じボックスに一人で来ている70代らしきたくましそうなおばあちゃんは、咳をちょっとしていたが、休憩から帰ったら「咳をしてごめんなさい、咳に効くシャンパン今引っかけてきたのよ」と、私にハッカアメを勧める。
いいねえ、こういうおばあちゃん大好き。

ワーグナー、5時間たっぷり楽しんだ。
ワーグナーが好きな人の気持ち、分かるな。
ワーグナーの一番長いオペラは全曲やると三日かかると聞いたことがある。
ワーグナーは、体力でもあるな。

オペラが終わったあと不思議なのは、あれだけ着飾ってきた皆さん、タクシーに乗るでも無く、地下鉄に乗るわけないし、お迎えの車があるのでもなし、自然にどこかに消えていく。
あの格好で歩いて帰るのだろうか? でもそんな状態の人はあまり見かけない。
オペラ座、3千人は入りそうだが、ウイーンの街に溶けるように消えていく。
オペラ座の謎「消える華麗な3千人」

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