2010年4月6日火曜日

1004ウイーン02:抜け出した楽友協会ホール




アパートに入って荷物を整理し、普段したことの無いネクタイを締めてジャケットを着、いそいそと歩いて10分の楽友協会ホールへ。
今日のプログラムは、以前インターネットで調べたときは無かったのがいきなり入っている。
「ウインナー・モーツアルト・オーケーストラ」とあるだけで、何だか分からない。
どうも一流ではないような気がする。
ホールの横にチケットオフィスがあり、普通はそこで買えるのだが、今日は貼り紙があり、8時15分から始まるこのコンサートのチケットは、正面入口で7時15分から、とある。やはり何か変だな?
正面に回ると50名ほど既に並んでいて、私が並び始めた頃から続々と列が長くなっていく。
並んでいる人々を観察すると、どうも音楽にうるさいウイーンの人ではなく、観光客がほとんどだ。ジーパン、ブルゾン、時々ネクタイも居るがイタリア語や中国語だったりする。
もしかしたらこれは只コンサートか観光客向けかな?

道路の方から古典的なモーツアルト時代の衣装を着た人が二人、今日の看板を持ってきた。
ははあ、昔の衣装を着たコンサートのようだ。
時間が来て中に入り、カウンターに並び始めたが、お行儀が悪い。
ウイーンの人なら落ち着いて静々と並ぶものだが、この列は横から駆け入ったり、ワッと群がったり、混乱は無いのだが、落ち着きが無い。
やっぱり変だ。
順番が来て料金表を見たら、75ユーロが最高で、一番安い席が42ユーロ。
高いな。
これより安いのは立ち席だ。
怪しいので、42ユーロの席にした。

この席は、ホールの最も後ろの3階にある席のさらにその後ろに天井桟敷的な所があり、そこだ。こんな所にも席があったの、初めて知った。
天井に描かれた絵が間近に見える。

モーツアルト時代の衣装を着た演奏者が入ってきたら、拍手とカメラのフラッシュ。
お互い記念撮影をあちこちでやっている。
やっぱりこれは観光客向けだった。
7割ほどの入りだな。

演奏が始まった途端、一番安い席にして正解だと分かった。

ヴォァ〜〜〜ン、ドシャ〜〜〜ン……
モーツアルトが、この黄金のホールで、こんな状態で演奏されたんじゃかわいそうだな。
聴衆というより、観客は、どうも音楽あまりわからず、それでもこの場にいることを喜んではいるようだ。
小さなおしゃべりしているカップルもちょっと。

3曲程が終わったら、合唱隊が入ってきた。
そして、レクイエムが厳かに始まった。
そうか、復活祭週間に入ったんだ。

オーケストラの演奏は相変わらずだが、合唱はまずまず。
教会の復活祭ミサ行ったつもりで、このハプニングコンサート、よい出会いだった。

しかし、42ユーロは高いな。
でも、どういう仕組みか知らないが、これだけ客を集められるんだから、このホールの維持に貢献するな。それならいいことだ。
〔あとで分かった、この楽団は、観光ガイドに必ず出ている〕

この演奏最後まで聞いたらウイーンの印象が破壊される。
ちょうど腹も減った。
インターミッションで抜け出した。

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