2008年3月7日金曜日

08ウィーン-5:黄金のホールの「悲愴」



3晩連続の最初のコンサートは「黄金のホール」と呼ばれている楽友協会ホール。
ホールはまさに名前にふさわしく豪奢に輝いている。
演奏はロンドン交響楽団。この楽団はあまり日本には来ないようだ。

前半にブラームスのバイオリンコンチェルト。
42歳の若いバイオリニストで、元気はつらつの演奏。
音楽にうるさいウィーンの皆さんが大拍手。独奏のアンコールまで付いた。

後半目玉がチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」。
「悲愴」は、今まで聴いたことの中で、飛び抜けの最高レベル。
第一楽章の半ば、バイオリンが圧倒的に盛り上がる。
ウィーンに音楽聴きに来れるようになってよかったなー。
つややかで軽快な第二楽章でリラックスし、豪快な第三楽章に。
第三楽章の金管楽器は力強く、リズミカルに、弦楽器と力一杯押しまくる。
第四楽章でこの交響曲の名前が出て来たのだろう、重々しい響きとテンポで悲愴なクライマックスに向かっていく。
第四楽章の管楽器、トランペットとチューバなど特に難しそう。音を最大にしながら、暗く、遅く、深く響かせなければならない。

重厚な曲は、長く、静かに、慎重に、少しずつ、船が沈み込むように音が止まっても、さらに数呼吸、指揮者も、オーケーストラも、観客も動かない。
息も停まっている。
指揮棒が降ろされ、わずかな拍手をきっかけに、盛り上がり、伸び上がる大喝采。
黄金ホールに感動がいつまでも響き渡っていた。

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