2008年12月19日金曜日

伊勢エビ天丼ダブル






三島のベルナール・ビュッフェ美術館に寄った。
この美術館は、個人でやっていて、習作までもそろえている。
ビュッフェの若い頃の作品から晩年までが年代別に並び、次第にビュッフェらしさが出て来ているのがよく分かる。
サインの変遷がまた面白い。
一般的には上下に錐のように鋭いタッチで書いたサインだが、若い頃は丸っこいサインだった。
彫刻もあり、展示館の外に設置してある。

ビュッフェ美術館の隣に、同じ経営で、井上靖文学館がある。
「しろばんば」等を初めとする作品の初版本や、直筆原稿、旅行の写真と一緒に、本も売っている。
若い頃読んだものも多いが、内容はもう忘れている。もう一度読もうか。
私の本の読み癖は、気に入った著者の本を続けて、ほとんど全部読むこと。
今夢中になっているのは、帚木蓬生(ははきぎほうせい)。その前は、フレデリック・フォーサイス、吉村昭、水上勉、三島由紀夫、内田百閒、開高健、……、などやってしまった。
吉村昭が亡くなったときも、水上勉の時も、開高健の時も、そうだ團伊玖磨の時も、マイクル・クライトンの時も、「ああ、もう新しい作品は出て来なくなってしまった」と悲しんだ。困ったことに、亡くなったのを悲しむのではなかった。

帚木蓬生が残りあと数冊になり、最新作の「インターセックス」も読んでしまったので、これからどうしようかと思案していたが、これで見つかった。
次のターゲットは井上靖だ。
とりあえず10冊ほど買い込んだ。

今回の泊まりは、石原裕次郎さんがよく泊まっていた下田東急ホテル。
このホテル、のんびり出来てすっかり気に入った。
部屋に荷物を放り込み、温泉さっとつかって、タクシーでいつもの「新田」へ。
この店、以前は料亭だったそうだ。

もうすっかりおなじみになり、刺身もお任せ。
白身のすばらしい刺身が幾種類も盛り合わせてある。

サザエの壺焼きが来た。
3個も。
錐が付いていて、きれいほじくり出す。

メニューにあっていつも気になっていた「伊勢エビ天丼」を頼む。
でっかい丼に、伊勢エビが2本も乗っている。
一緒に出て来た巨大な味噌汁にも伊勢エビの頭2つ分。
なんと乱暴な豪華さだろうか。
「大将、伊勢エビ2本も入っているよ!」
「はい、サービスです」
ずいぶん豪快なサービスだな。

すっかり満足してホテルに転がり帰り、どっと寝て、翌早朝さわやかに目が覚めたら、朝日がもう初日の出のよう。

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