2010年5月20日木曜日

脂肪を取らないで



ウイーンでもパリでも、豚肉は皮も含めてたっぷりの脂をそのままカットする。
脂がおいしい。
ところが日本でいわゆるブランドの豚肉を買うと、せっかくの脂肪をトリミングしてしまっている。

「オーダーカット」と書いてあるので「脂肪を取らないで」と言っているにもかかわらず、出て来たのはもう脂肪が無い。
これは入荷したブロック肉はもうかなり脂肪がトリミングされているのに、さらに「表面が汚れている」と言う理由で、店でさらにトリミングしてしまい、そのブロックから切り出すからだ。
店に入った時点で脂肪がトリミングされているのは、店側の要請。
脂肪が多く付いていると店から供給パッカーにクレームが行く。
「5ミリアンダー」「3ミリアンダー」などと言って、脂肪厚が規定厚以下にトリミングした規格で購入するからだ。

一般的にはこうなっているので、店でオーダーカットとなっていても、既に脂肪はかなり無くなっている。その上に店で「親切丁寧?」にトリミングしてしまう。
店の作業室を覗くと、大量の、真っ白いおいしそうな脂肪がゴミ箱に放り込まれている。
ああ、もったいない。

カットの厚さもそうだ。
「厚く切って」と言っているのに、出て来るのは薄切り。
そこで「2センチ」と言うと、出て来るのは1.5センチ。
肉屋さんの感覚では、厚くなると1枚あたり高くなるから、とか、厚かったら焼きにくいから、という「恐怖心」「親切心」なのかもしれない。

大きなお世話だ。
物差し持ってきて、言われた厚さに切ってくれ!!〜〜〜

今日は、超厚切りにした、しかし脂肪はほとんど取り去られてしまった、豚のステーキ。
でも、じっくり厚いと、肉汁たっぷりで、おいしいねエ〜

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