2010年5月18日火曜日

山菜採りと鯨の脂肪





山菜で食べられる山ニンジンは、ニンジンの葉を食べるものと思っていたがそうでは無く、茎と葉っぱ。
軽くボイルしてから、少しのマヨネーズ味をつけ、かつお節をかけてある。
しゃきしゃきと山の香りが心地いい。

野菜と一緒に大阪の鯨のコロをスライスしたようなのが乗っている。
これはミンククジラの皮。
元を見せてもらったら、滑らかな皮の下に青みがかった白い脂肪の塊。
昔の人はこれも大事な動物性たんぱく質だったんだろうな。

山菜を採りに深い山中に半年入る夫婦が、重労働の中で動物淡泊が無いと、目が見えなくなるため、鯨の脂肪の塊を持って入っているという話が、開高健のエッセイに出て来る。
囲炉裏にかけた鍋に味噌汁が出来ている。
その上に、30センチぐらいの大きな鯨の脂肪塊が紐でぶら下がっている。
止めるために縛ってある紐の端を解き、脂肪を味噌汁の中にドボンとつけると、脂が汁に広がる。
塊は釣り上げられ、またぶら下げる。
その味噌汁を飲む。
これが労働の元。
毎日これが繰り返される。
そして脂肪の塊が小さくなくなった頃、山菜採りは終わり、下界に帰る。

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