2009年12月22日火曜日

かつお節シリーズ3:磨き工程




1945年の春から夏にかけ、知覧から飛び立った特攻機は基地の上をいったん回り、翼をひらめかせて別れ、死への操縦桿を南へ向け、左側に開聞岳を見ながら沖縄を目指した。
開聞岳は、ピラミッドを丸くしたような幾何学的な山だが、特攻隊の歴史を知るか知らないかで、この山の見方は大きく変わる。
知れば、この山が近づくにつれて、胸が苦しくなってくる。
この山を左に見ながら、特攻隊員はどんな気持ちだったのだろうか?
優秀な若者1036人を亡くしてしまった戦争……
彼らが生きていたら、どれだけ国に貢献しただろうか……

その開聞岳麓にかつお節の磨き工場がある。
磨きは、グラインダーで残った骨部分や血合いを削って整形する。
削ったクズは骨や脂肪なので、高級な出汁は出ないが、スープにはなるので、ラーメンなどの出汁の原料にする。

国澤さんが削ってくれたのをお土産にくれた。
これはカビ付け前で、カビ付けをしたあとの製品とどう違うのか、家に帰ってみてみよう。

削ったあと、カビ付け庫に入れる。
天気が良いと、外に出し、天日干しをする。
天日干しの最中雨が降ったら台無しになってしまうので、天気予想が大切。
天気予想は、開聞岳の雲や風向きといった独自の見方がある。

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