2009年12月17日木曜日

かつお節シリーズ1:原価計算のトレーサビリティ






京都の料理屋でおいしい出汁にいつも出会っているし、家でもガリガリ削って使っているので、かつお節工場がずっと気になっていた。
京都で出汁製品を扱っている「うね乃」の釆野社長にお願いして、今回は指宿市山川のかつお節工場の視察。
協栄鰹節の国澤浩さんに親切に案内してもらった。

視察して驚いたのは、この工場では原材料のカツオを船から買う。
漁港市場や仲卸から買うのでは無い。
直接船から買う。
買ったカツオはロットごとに下処理し、98℃で加熱し、背側と腹側にフィレにし、燻し、削り、カビ付けをして製品になる。
それぞれの工程で、船、日付などがラベルで判るようにし、最終の箱詰めまで付いて行く。
トレーサビリティが完全なのだ、この工場では。

ところが、なぜトレースが完全に出来るようにしているかというと、牛肉のトレーサビリティのような目的では無く、原価計算のための歩留まり。
船から買ったカツオが、最終製品になるまでの歩留まりがはっきり判らないと、原価計算が出来ない。
これはまた、税務対策にもなっている。このデータを税務署に見せれば、ごまかしていないことが完全に判るというわけだ。
ということで、かつお節にはトレーサビリティラベルは無い、証明書も無い。
寿司屋が築地で買ったキンキやシジミにはあるのに。

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