2007年5月11日金曜日

鳩料理


エジプトには鳩はいないと聞いていて、一昨年カイロに行ったら、確かに居ない。大きな屋敷の片隅に檻のようなものがあり、何か聞いたら、鳩小屋だという。食べる為の鳩を飼っているのだ。こういう家は注意して見ているとあちこちにある。全部大きな家だ。鳩はご馳走なのだ。
エジプトの鳩がいないのでは無く、食べる為の鳩はいるわけだ。野鳩を見つけると、すぐに捕まえて食べてしまうので、町の中に鳩はいないことになる。
カイロの市内で子供が数人、捕まえたばかりの鳩をうれしそうに抱いていたので「食べるの?」とゼスチャーで聞いたらそうだという。

名古屋のカイメイホウの店長に、どこかおいしいところを知らないかと聞いたら、出来たばかりのフレンチレストランを教えてくれた。店長はまだ行ったことは無いが、店のお客さんで、とてもいい人だからおいしい料理を出すだろうという。
クイジーン・フランチャイズ・サクラ
http://www.sakura-nagoya.jp/
行ったら客は1人もいない。これは何か問題があるのかと心配になったが、仕方ない、とにかく座ってメニューを見たら、鳩がある。
鳩はどれぐらいの量があるかと聞いたら「一羽分」だというので、そうすると前菜が一つしか食べられないなと「白とグリーンのアスパラセットパイ包み」を頼んだ。
ビールを飲んでいたら「あのー、鳩を半分にしますから、もうひとつ前菜はいかがですか?」と、うれしい親切。アワビの前菜を頼んだ。
アスパラは、太くたくましいのが一本ずつ、さっぱりしたホワイトソースたっぷりだ。パンを頼んでパリパリ食べた。
アワビの前菜も、実に素晴らしい。これは良い店だ。
鳩が来た。
これは野バトだということだが、癖がなく、しっかりした味で、濃厚なソースがおいしさを更に引き出している。
一本一本の骨を外し、舐めてきれいに食べてしまった。
この店は、今まで食べた洋食の中でも最高レベルだ。
シェフが挨拶にきてくれた。
このシェフは、ポール・ボキューズさんのところに居たという。
暖かい性格の人で、それが味に出ているのだろう。
名古屋に来たらまた来る約束をした。
しかし、私が食べ終わってもまだ客は1人もいないので心配になり「宣伝をして、店を維持してください」と、思わず頼んでしまった。よい店が無くなるのは困る。
(写真はこのレストランのホームページから)

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