2007年4月24日火曜日

バックリブ



ポークスペアリブはあばら骨をはがして、骨の間の肉の味を楽しむ。
骨から外された肉はバラ肉で、ベーコンになる。
ベーコンにはあばら骨を外した部分が溝になっているが、これは骨を一本一本ていねいに外した跡だ。
であるから、スペアリブを取った跡のバラ肉はこの段々の溝が無い。三枚肉では無く二枚肉になる。
スペアリブは、人で言うと、胸から横腹にかけてのあばら骨のところだ。
では横腹から背中にかけてはどうなっているかと言うと、ここの部分がロースとリブロース肉だ。
ではロース、リブロースに付いている骨、つまりスペアリブよりも背中側の骨はどうなるかと言うと、日本ではきれいに外す。
だから、リブロース、ロース肉は、正肉だけだ。
さて、米国では、スペアリブは定番だが、背中側の骨も間に肉をつけたまま外してしまう。スペアリブの背中側版だ。
これを「バックリブ」と言っている。
ロース肉を珍重する日本で、こんな乱暴にロース側の骨をとってしまったら、ロース正肉の歩留まりが悪くなるので、やらない。
しかし、ロース側の骨の間にある肉は、スペアリブと同じで味があって美味しい。
欧米の肉の専門家に「どの部位が好き?」と聞くと、多くの人が「あばら骨とあばら骨の間の肉」と答える。
つまり、スペアリブと、バックリブだ。
スペアリブはこの20年ぐらいの間に日本でポピュラーになったが、バックリブは日本では見たことない。米国ではいくらでもあるけど。

六本木の「東京ミッドタウン」が出来て、落ち着いた頃だから行ってみた。
楽しいショッピングセンターになっていた。
3階のデジタルおもちゃなど、女性だけでなく男性も楽しめる店も結構ある。
そして「ロティ アメリカン ワインバー & ブラッセリー」にバックリブがあった。
米国料理だから、豚肉の代表としてこのバックリブがあるんだろう。
バックリブは、米国から輸入したら半分骨を輸入するみたいなものだから、やらないのだろう。それなら日本でとなったら、ロース正肉が小さくなってしまうからやらない。
しかし、おいしい。
それがここにあった。

一個400円の生ガキ。ワシントン産。
ワインはカリフォルニアのナパ・バレー産。
来たバックリブは、5本ほどの大きさで、肉がたっぷりついている。
これは食べごたえがある。
黒ゴマ白ゴマが半々程度かかっている。
早速一本分を外して、ばさりと肉を削り取り、ガブリと。
この部分は歯ごたえがあるのだが、なかなか軟らかく料理されている。
こってりしたバックリブ、久しぶりだった。

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