2007年6月7日木曜日

焼酎あご割りロック


「芋焼酎は『黒霧島』がありますよ」
「それなら、ロックで」
京都先斗町の「河しげ先斗町店」のロックはちょっと違う。
いつも元気な京っ子の真以さんが、冷蔵庫から大きな角氷を取り出し、氷の表側に包丁の「あご」を軽く当て、パカッと、ロックグラスに丁度入る大きさの氷を割り出した。
氷には表と裏があり、裏から当てても氷は傷がつくだけで割れない。表からちょっと当てると簡単に割れる。

良い氷屋さんの角氷は、透き通っていて、濁りが無い。
これは、ゆっくりと凍らせるからだ。
秩父の山奥などにある名物天然氷は、秋から冬にかけて、ゆっくりと何週間もかけて凍って行く。
氷は、ゆっくりと凍ってくと、水の中にある不純物が外側に押し出され、純粋無垢に出来る。
反対にただ型に入れた水を急速凍結すると、中心部分に空気やゴミなどの不純物が閉じこめられてしまう。
家庭の冷蔵庫で透明な氷が出来ないのはその為だ。
透明な氷が1個入った黒霧島のロックが、黒艶のお盆の上に浮かんでいる。
ぐいとやると芋焼酎がじんとしみ込んできた。

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