2009年6月1日月曜日
桜エビのパスタ
田町駅で下車し、慶応大学への商店街を行き、大通りに出た向かい側に、外側からも、看板からも、店に入ってからも、別にどうってことはないイタリアンがある。しかしここの料理はいつも素晴らしい。
「ちょっとローマ」
白身魚のカルパッチョは、さっぱりしたソースが鮮度最高の刺身にぴったり。
リゾットは立体的な盛り付けで出て来た。
ホタテ貝のいいのは、しゃっきりとと野菜っぽい食感だが、このハイグレードホタテに、初夏の大きなアサリとリゾット。
リゾットのタワーだ。
今日のパスタは何かとさっき聞いたら「桜エビです」と、この寡黙なオーナーシェフがもっそりと答えていた。
このマスター、私が過去数年に渡って食べたもの、飲んだワイン、すべて覚えていてびっくりするのだが、本人にすれば自然に頭に入っているのだろう。そして恥ずかしそうに言いながら、出て来る料理はびっくり驚愕の素晴らしいところがうれしい。
とは言いながら「桜エビ」と聞いたときには「何だ?」とは一瞬思ったのだが、でもこのマスターだから、きっと何か……
そのパスタの皿が目の前に置かれた瞬間、ワイガヤと話していたこの日の皆さんに私は言った「こら! 話しなんかしている場合じゃないぞ!」
桜エビの鮮烈な香りがテープルの上に炸裂している。
桜エビの雲を運んできたみたいだ。
胸いっぱい、体いっぱい、桜エビを吸い込んだ。
桜エビって、こんなにいい香りだったんだ。
ちょうど静岡で旬だな。
今頃あのあたりの寿司屋では桜エビの生、水あげ直後のを食べてるんだな。
フォークもパスタ専用の先が広がったのを出してきた。気合いが入っている。
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