2012年6月28日木曜日

マタギの旅-2:マタギ流夕食






昼寝から起きてぼ〜っとしていたらインターフォンが鳴り「お夕食の準備が出来ました}
この山奥にいったいどういう人が泊まっているのかと大広間に行ったら、私と同世代のおじさん一人旅が私を含めて4名。老夫婦が一組。そして釣り目的らしきおじさん2人旅が一組。
私は出張途中のサボり一人旅だが、あとの3人はいったいどういう人なんだろうか? お互いこいつらなんだろうという雰囲気。

お膳の上は、山菜オンパレード。
それぞれの山菜は米沢や盛岡の料理屋で出て来るのとはちょっと違って、硬い断片も混じった野性味たっぷり。さすが山奥の突き当たり。
ここのご主人は狩猟もある程度したり、山菜、それに渓流釣りをやる人で、玄関には50センチもあるイワナの写真が何枚も。
魚は鮎、刺身は鯉の洗い。
たくあん2枚があって齧ったら秋田名物のいぶりがっこ(燻りたくあん)。
小鍋を開けたらきりたんぽ。秋田まっただ中だな。
あとから「サービスです」と持って来たのは焼き鳥で、齧ったら硬く味がある。途中平飼いしていた比内鶏かな。
女将さんが大きな鍋を持ってきて広間の真ん中に置き「鯉こくです、ご自由にどうぞ」
冷酒「杣温泉」でグズグズとマタギの夕食。

2012年6月26日火曜日

マタギの旅-1:杣温泉




月曜日から始まった東北巡業出張が木曜日に終わり、月曜日にまた盛岡でミーティングなので、これ幸いと、以前から行きたかったマタギの旅に行くことにした。
マタギは昔からの猟師で、熊などを狩猟して生計を立てている皆さん。
今ではほとんどいなくなってしまったが、私がよく行く吉祥寺の中華には2月ごろ、マタギ狩猟で捕えた熊肉が出ることがあり、これが美味しい。

いつものトヨタレンタカープリウス1.8Lを引き取りに行ったら、6月いっぱいは「エコドライブキャンペーン」で、このプリウスの場合は平均24.5Km/L以上だったらガソリン代が無料になるという。これはいいキャンペーンだが、今回は山中に入るのでどうかな?

盛岡を昼頃出発。東北縦貫道を北ヘ向かい、途中から秋田県の山奥への道に入る。
次第に森が深まる中、比内鶏を平飼いしている農家が出て来たりしたが、人っ子一人居ない大平湖小又峽を過ぎた辺りから更に緑で暗くなる。
鳥の鳴き声がずいぶん響く所だと思ったら「クマゲラエコーライン」という看板。
もうこれが一番奥になりそうな所に看板があり右折。
渓流に小さな橋があり、その又奥の道が終わった所に「杣(そま)温泉」
「日本秘湯を守る会」ともある。

時間はまだ2時半。
露天風呂は当たり前のように〔脱衣場は別の〕混浴で、だ〜れも居ない。
ここはヘタすると猿でも入浴に来そうだと思ったが、入ってみたら湯はかなり熱いから無理だろうな。
たっぷり汗かき、冷えたビール大瓶あっという間に無くなり、畳の上に座布団並べて昼寝に突入。

2012年6月25日月曜日

大目鱒


大きなサケの切り身塩焼きが出て来た。
色が浅いのでキングサーモンでは無い。
繊細な美味しさ。
サケでなく鱒だった。
これは「大目鱒」といって、貴重な鱒だそうだ。
初めて出会った。
齧ってから気が付き、慌てて撮影。

2012年6月22日金曜日

ナマコセット


ナマコは塩もみすると、歯で気持ちよく切れるようになる。
この為にはかなりの時間がかかるようだ。
いい仕事する板前さんに感謝。
一緒にコノワタ(なまこの腸の塩辛)も出て来た。
ナマコのセットだな。

2012年6月21日木曜日

今年も鮎御飯




6月、鮎解禁。
個室2組とカウンターしかない店なので、早めに予約しておいた。
まき村
魅力的な料理が続いたあと、仕上げになると釜ごと持って来てくれる。
蓋を開けると、鮎の香りが勢いよく噴き出すので、寄ってたかって胸いっぱい吸い込む。
この鮎はただ炊き込んだのでは無く、鮎の骨と頭で出汁をとり、それに一晩漬け込んである。
だから鮎の香りが倍。
一膳目はふっくらと炊けたご飯で。
これを物も言わずに楽しんでいる横で、女将さんが釜にしゃもじを入れてがりがりと音を立てている。
そう、二膳目が、お焦げ!
お焦げを齧るかりかりという音が、鮎と一緒に口の中で転げ回る。

2012年6月14日木曜日

藍屋で東北応援





岩手県大槌町は東日本大震災で町ごと流された。
ビルの上に観光船が乗っている写真が報道されていたが、あの町だ。
そして「浜娘」ブランドの清酒メーカー「赤武酒造」も工場ごと流された。
ここの古館社長、一時はあきらめたそうだが、周囲に励まされ「赤武酒造復興計画」の途上にある。

赤武酒造では昨年末から今年初めにかけて、盛岡市内の酒造タンクを借してもらうことができ、新酒を製造出来た。
工場は流されても、酵母は盛岡市内の工業技術センターに保管されていたからだ。
不幸中の幸い。
この復興計画第1段の「浜娘」を、すかいらーくの「藍屋」が東北応援の一環として、6/14日から提供する。
すかいらーくの活動、素晴らしい。

1週間早く先行スタートする三鷹新川店に早速行った。
若いウエイターはしっかり教育を受け、やる気もあり、てきぱき応対。
まずは生ビールといった所で「一緒に、すぐ出る水ナスは如何ですか?」とさわやか営業。こういうの気持ちいいね。
しゃきしゃきと冷えた水ナスを齧りながら、あっという間に生ビールは無くなり、「復興応援の浜娘お願いしま〜〜す」

枡に入ったグラスと「浜娘」のボトルを持って来て、私の目の前でどくどくと注ぎ出した。
団塊世代のノスタルジックはこういう時、皿に乗せたグラスからどれだけ酒を溢れさせて注いでくれるかが気になる所。
いまここでは、皿じゃなくて枡なんだから、どうするだろうと見ていたら、グラスから溢れてもまだまだ注ぎ続けている。
じっと見ていたら、回りの音が聞こえなくなり、目と口が枡にあふれ落ちる酒に吸い込まれていくようだ。
そして、注ぎ終わったら、酒は枡からもあふれそう。
グラスの上に表面張力で盛り上がった「浜娘」がぷるぷると揺れている。
振動の原因は私の鼻息のようだ。

この状態では持ち上げるわけには行かないので、口をグラスに持っていく。
今度こそ本当に吸い込まれそうだ。
逆にズルッと一口吸い込んだら、頑丈な味。
さわやかとか端麗では無い。
古館社長が言う「ガッツラ〔ガッツリ)」がふさわしい表現。
この力強さ、復興の意気込みと合ってるな。

相場高の中なのに、よくこんな価格で出してくれたな、と思うような浜松産うな重を食べながら、グラスの「浜娘」が無くなりかけたので、枡の方をグラスにドバッと入れたらまたあふれそうになって、慌てて止めた。
まだ枡の中に酒が残っている。
グラスより枡に入っている方が多いんじゃないか。

うな重半分ほど食べた頃、枡の方も無くなったので、再び「浜娘、もう1杯くださ〜〜い」
皆さん、復興応援で、藍屋のうな重と「浜娘」よろしく。

なお、赤武酒造では今年秋、FSSC22000の要求事項を取り入れた新工場を立ち上げる。
進め!「浜娘」

2012年6月13日水曜日

1000日の生ハム







ぐるめくにひろさんのところに、約3年、1000日の生ハムが1本だけあるというので、みんなで私の家に集まって食べようという話になった。

ベランダのテーブルを居間に持ち込み、即席のカット台に。
こういったものは、開けてみないとどのような出来になっているのか分からない。
くにひろさんがていねいに表面のカビと脂肪をトリミングし、そうッと最初のスライスを切り出した。
まずは私が試食。

生ハムは普通濃い赤銅色をしているが、これはピンクだ。
香りは、くどくなくさっぱりとしている。

さてと、口に入れて、咬み始めた途端、分からなくなった。
3年も寝かせたんだから、濃いかねっとりか、といったのを想像していたのだが、全く違う……
「さわやか」なんだと、しばらく咬んでわかった。
しかし、3年寝かせて「さわやか」というのは、いったいどういうことかわからない。
くちゃくちゃ咬んでいると、香りがどんどん濃密に変って来た。

この間、多分30秒ほど。結構長い時間だ。
くにひろさんは、黙ったまま咬み続けている私に心配になったのだろう、背中を向け、私の反応をじっと待っていることがわかる。
しかし、しゃべることはまだ出来ない。
今とても大事な時間なんだ……

最大に頭を使いながら咀嚼していくと、飲み込んだつもりは無いのに自然に腹の中に移動してしまい、香りだけが残った。
その香りをもっと味わいたくて、まだしゃべれない。
鼻と口から半々ずつ静かに息を吸い込み、最後の芳香を味わい尽くしてから、やっと発声。
「やった〜〜〜!!! すばらしぃ〜〜〜!!!」
発言ではなく、叫んだ。
今までの生涯で出会った、最高の生ハムだった。

そして、数時間後、全て無くなってしまった。
感動し、うれしく、最後は「はかなく」終わったパーティー。
なぜはかないか?
当たり前でしょう! こんな生ハムにもう会えるかどうか……
くにひろさん、また是非、なんて言うとプレッシャーになるかな?
これからも素晴らしいハム造ってください。

2012年6月12日火曜日

山ニンジンの握り寿司




「ちょっと変わった寿司を」と出て来たのは、山ニンジンのにぎり寿司。
野生の香りがシャリにあう。
次は鯖のふきのとう味噌焼き。
サバとのコラボレーションをよく発見したものだ。
こんな手の込んだ料理の合間に、キャベツの葉っぱ一枚そのままを醤油で。
今度は姫茸焼き。
東北の春から初夏は美味しいののオンパレードだな。

2012年6月11日月曜日

稚鮎






子供というのは人も動物もかわいいものだが、稚鮎は小さくても獰猛な顔をして一人前だ。
鮎は養殖と天然でもずいぶん違う。
養殖は顔が優しくデブ、天然は顔がきつく、スリム。
のんびり育っているのと、縄張り争いで生きている違いか。
人間と一緒だな。

稚鮎を頭から齧ると初夏の味が広がる。
煮物に見事な空豆。
季節感たっぷり。

仕上げは鯛茶漬けだが、鯛よりも御飯が主役だ。
人数分を土鍋で炊いて、そのままドンと出て来た。
御飯の一粒一粒がピカピカ。

まきむら

2012年6月8日金曜日

アスパラセット






白の季節、グリーンも良い、どっちも食べたい。
という所に出て来たのは、白とグリーンが一本ずつ。
リストランテ・イマイ

吉祥寺の駅近くだが、路地に入って、知っている人しか行けない店。

白身魚のカルパッチョには、入道雲のようにフワリと香草がのせてあり、さわやか。
空豆入りパスタは初夏。
リゾットは飛び子入り。
魚のグリルは皮パリッと、白身ジューシー。
この店、毎月繊細なメニューで楽しませてくれる。

2012年6月7日木曜日

食べる水族館






佐賀県は有明湾。
ここには有名なムツゴロウを始め不思議な魚がたくさん棲んでいる。
あまりにも色々出て来るので、数年前この食堂を「食べる水族館」と命名した。
ムツゴロウ、くちぞこ、アナゴ、ハゼ、シャコ、ウミタケ、揚げ巻き……
佐賀に行ったら是非体験を。
「むつごろう亭」0952-45-2911
東与賀町田中466-27
佐賀空港から佐賀市に向かって車で15分ほど。

2012年6月4日月曜日

米沢牛A3の6週間ドライエージング





オーストラリアは赤身の牛肉が当たり前だったが、最近霜降りたっぷりの「ワギュウ」ブームになっているそうだ。軟らかく、クリーミーな肉への魅力だ。
そんな中、日本では反対に赤身牛肉のドライエージングが出て来た。
試験的に米澤佐藤畜産が挑戦。

A3グレードの米沢牛の枝から、バラと肩から前を外した「ピストル」と呼ばれているカットを、旧式の、つまりはドライエージングに適した冷蔵庫でぶら下げて6週間熟成。
そのサーロイン〔ストリップロイン〕と内モモをステーキカット。
ナイフを入れると、引っかかるような硬さがなく、吸い込まれるようにすっぱりと切れる。
この厚切りのステーキをミディアムレアに。

さっぱり、やわらか、そして赤身牛肉の風味がしっかり。
内モモステーキは更にさっぱり。
これ、いいねえ。
製品化が楽しみ。

2012年6月1日金曜日

アマダイの柿の葉炊き



柿の葉寿司は関西名物。
アマダイは関西の高級魚。
この2つが一体になったアマダイの柿の葉炊き。
スープにとろみが付いて、葉の香りが閉じこめられている。
仕上げににゅうめん。
半熟の茹で卵2つ割りが黄身を上にして乗せてある所なんて「瓢亭」の朝食タイプだな。