2010年2月25日木曜日

サヨリの盛りつけ




サヨリの昆布締め。
春を告げる魚だな。
最初に一切れ出て来たのは、斜めにカットしたのが、昆布の上に乗せてある。
斜めカットは、ソテーカットとも言う。
身が透き通り、昆布が見える。
あまり美味しいので、昆布も食べてしまった。

翌週、また行ったら、今度は細長くカットし、くるくる丸めて出て来た。
そこで、蛇のようにとぐろを巻いた状態にして、スリたてのワサビを乗せ、パク!
サヨリのカットと提供、いろいろあるな。

2010年2月23日火曜日

秋田比内鶏の卵かけご飯




小鳥の巣のようなカゴの中に卵が数個。
「比内鶏の卵です」
これをどうする?
「卵かけご飯なんかどうですか?」
おぉ〜〜〜!! 懐かしい。

HACCPで生卵はダメ、なんていう考え方があるけど、安全な卵ならいいんじゃないの?

早速卵を割り、醤油をちょっと垂らして、少しかき混ぜる。
あまりかき混ぜないところがコツ。粗混ぜ。
熱いあきたこまちのご飯を少なめに茶碗に盛り、真ん中を少しへこませる。
そして、卵をどろりと乗せ、2回ほどかき混ぜて、箸でかっ込む!
そう、ズルズルと、行儀悪くかっ込むのが卵かけご飯の正しい食べ方。
下目黒の小さな家がよみがえってきた。

2010年2月22日月曜日

とんぶり納豆




秋田名物の一つはとんぶりで、これは箒草の実。
陸のキャビアで、食感もプチプチとそっくり。その上植物系でヘルシー。
ネギと納豆が小皿に入ってきて、そこにワラ納豆。
納豆に、とんぶりとネギを入れてかき混ぜてどうぞというわけだ。

納豆はかき混ぜれば混ぜるほど美味しくなる。
何回かき混ぜたらいいのかについて、北大路魯山人は「300回」と書いている。

納豆と、とんぶりと、ネギを、たっぷりかき混ぜたら、とんぶりがプツプツと混ざった納豆になった。
秋田の納豆料理だな。

2010年2月19日金曜日

熟成牛肉の石焼き


秋田では、焼いた石を使った料理が名物なのかな。
以前来たとき、桶の中に大きな焼き石が入り、グラグラと桶の鍋が煮えていた料理に出会った。
今回は、しっかり焼かれた丸い石の上に、牛肉の小さいのが3切ればかり乗り、ジュージューと石焼きにされている。
肉をひっくり返して、中半生状態で食べたら、赤身の熟成だ。

霜降り牛肉が一般的に高級で好まれるようだが、私は赤身を熟成させたのが好きだ。
ところがこの赤身牛肉熟成タイプは、牛肉そのものは低価格だが、熟成技術が日本にはなかなかないので、もっぱらニューヨークで食べていた。
最近はさっぱりニューヨークに行かなくなったので、ご無沙汰していたが、まさか秋田で出会うとは思わなかった。

シェフに聞いたら、横手の「鎌倉ミート」というお肉やさんがやっていて、そこから仕入れているという。
熟成期間は「3ヶ月」だというが、本当かな?
3週間なら一般的だが、この間違いじゃないのかな?
この肉屋さん、あとでインターネットで調べたが、見つからなかった。
いったいどういうところなのかな?

2010年2月18日木曜日

マグロの塩漬け



マグロの漬けは切り身をワサビ醤油に浸けたり、まれにサクの状態で湯通ししてからウチでは36時間ほど冷蔵庫で浸け、スライスして江戸風に辛子で食べる。辛子というのは、江戸時代はワサビが高くて手に入らなかったため。

「都わすれ」で、塩で浸けたマグロが出て来た。
サクのまま塩に浸け、仕上がったところを切り身にしている。
大きなサクなので、切り身も大きい。
塩もいい塩を使っている。
そしてマグロはしっかりした赤身。
熟成していて、ねっとりと絡みつくような素晴らしさ。

何で塩に浸けたのか、シェフに聞いたら「やってみたかった」
うれしいねえ、この気っ風。

2010年2月15日月曜日

そのまんまの料理




シェフは、食材に手を加えないと仕事をしたことにならないと考えている人もいるかもしれないが、ヘタに手を加えるよりも、素材そのままの方がうれしいことも多い。
都わすれ」は、地元山の中の素材が中心だが、それに魚と肉もいいのを揃え、手を加えない、素材そのままの味を楽しんでもらう料理が多い。
その典型がまずは出て来た。
地元野菜を蒸しただけ。
それに味噌が付いてきて、これをつける。

2010年2月10日水曜日

鳥の活き造り風露天風呂




都わすれ」は、ここの女将で社長(佐藤京子さん)が経営する3つの温泉旅館の一つ。
佐藤さんは子供のころアトピーで、治すのにこの夏瀬温泉に通ったことがあったが、数十年後、どうなっているかといったところ、さびれはててつぶれた湯治場の廃虚になっていたのを発見したという。
しかし自然の恵みの温泉はこんこんと湧き出ていた。
そこで、高級温泉旅館として再建したものだということだ。
佐藤京子さんは胃ガンも克服しているたくましい方。

到着時のウエルカムドリンクに昆布茶を頼んだら、実に美味しい。
部屋に入ったら、落ち着いた和室で、窓の外は夕暮れ間近のブルーの世界。
夏瀬ダムで出来た湖をはるか下に見下ろす部屋付露天風呂が「さあどうぞ」と誘っている。

シャワーを浴びて外に出たらちょっとした吹雪。
5センチほど積もった雪を数歩歩いて露天風呂に飛び込む。
雄大な景色の中、身体温かく、首から上は冷たい。

中世フランス料理のレシピに「鳥の活き造り」というのがある。
生きた鳥の羽根をの首から下を剥ぎ、首だけ出せる穴を空けた箱に入れ、下からローストする。
身体はロースト調理されるが、首から上は冷たいので無事なまま。
体が焼き上がったら皿の上に丸ごと乗せ、切り分けると鳥の頭だけがギャーギャー騒ぐ。
その叫び声を聞きながら食べるところがこの料理の魅力。
という残酷料理だが、この吹雪の中の露天風呂はそんな気持ち。

身体ぽかぽかで、顔冷たく、頭の上は雪がどんどん積もる。
幾ら浸かっていてものぼせない。
冷たくなった顔を温めるのに、頭から湯を被ると、積もった雪が落ちる。

2010年2月9日火曜日

大雪から更に大雪、もっと大雪


秋田でいいホテルを紹介されて泊まった。
ドーミーイン秋田」で、早得予約で3050円引き&朝食半額!で、5千円。

最上階に天然温泉が付いている。
そのため、部屋に風呂は無く、シャワーだけ。
洗面台は、トイレの中では無く、寝室の方にある。
朝食が美味しい。
このコンセプトは、函館で気に入っているホテル「ラビスタ函館ベイ」によく似ている。
同じ系列か、モデルにしたのかもしれない。
客もよく入っている。

親切な皆さんと出会った大雪の秋田を発ち、角館に着いたら更に大雪だった。
駅前なんか、ほとんど真っ白のモノトーンの世界。
行き先は、夏瀬温泉の「都わすれ」で、ここから山奥に入る。

大雪の秋田よりもっと雪の角館から更に雪深い夏瀬温泉と、どんどん雪が増えて行く。
冬場は一般の車は入れない。
迎えに来てくれる四輪駆動車に乗る。
「都わすれまであと4キロ」の小さな看板があった。
車はゴットンゴットン縦揺れ横揺れ、右に左にカーブする雪の山岳を行く。

2010年2月8日月曜日

秋田名物





秋田に着いたら、大雪。
新潟では26年ぶりだかの大雪だといっていたが、秋田も地元の皆さんびっくり。
秋田県庁主催のセミナーが終わってから、割り勘で居酒屋に行ったら、これぞ秋田といったサラダが登場。
とんぶりといぶりがっこの刻みが入っている。

とんぶりは箒草の実で「陸(おか)キャビア」とか「畑のキャビア」として、輸出も盛んになってきたという。
いぶりがっこはたくあんの薫製で、漬物を薫製するというのはここだけ。
両方とも秋田名物。
これにハタハタが加われば、秋田3大名物だな。

地元で捕れる海老が唐揚げで出て来た。
東海地方の海で捕れるジャコエビを大きくしたみたいだ。
殻が薄いので、軽くふわっとしている。
頭から丸ごと食べられる。

もう一つ秋田名物が出て来た。
比内地鶏のつくねと焼き鳥。
つくねは卵の黄身をつけて食べる。

2010年2月5日金曜日

錫(すず)徳利




錫は保温能力が高い。
徳利に使ってカンをつけると、なかなか冷めない。
その錫徳利に、さっぱりした冷酒が入って出て来た。
保温力のせいか、冷たくても、表面に汗をかかない。

お猪口がまた個性のある手作り。
雫を落としたような突起がこっちと向こうに4筋。
ちょうどすべり止めになっている。

下田で温かい鴨鍋を食べながら、冷酒が食道を通ってすとんと落ちて行く。

仕上げはモズク粥。

2010年2月4日木曜日

刺身の細切り大根


「刺身の細切り大根は食べ方があるのでしょうか?」
という質問が来ので、私なりの回答。

まず、刺し身を食べます。擦った本ワサビなら、醤油に溶かさないで、刺し身に直接付けてから、醤油を付けます。こうすると、刺し身の味がぼけないし、ワサビの香りもいいんです。
こうしていると、下の大根が次第に現れてきます。
いい刺し身なら、ドリップ(血)が落ちないので、大根はしゃっきり白いままです。
そこで、醤油を、ちょっとだけ垂らして、大口開けて食べると、大根の美味しさが口の中いっぱいに広がります。美味しいですよ〜〜〜!
口の中さっぱりしたら、再び次の刺し身に取り掛かります。
さて、次はどの切り身にいこうかな〜〜〜

安物の刺し身の場合、ドリップが大根に落ちて、ぐちゃぐちゃになってしまいます。刺し身も美味しくないし、大根なんかべたべたで、こういう刺し身はワサビも安物です。
こういうのを食べるのは、人生の無駄ですから、最初から選ばないことです。

2010年2月3日水曜日

四半世紀の宴会




飯塚の仕事が終わったあと、すぐに帰れば金かからないのに帰らず、四半世紀以上前、しょっちゅう呑んでいて、今は博多と長崎県大村に住んでいる仲間が博多の「せいもんばらい」に集まった。男女二人ずつ。

突き出しに出て来た小さな貝は、地元の人は当たり前に知っているようだが、私は初めて。名前が平仮名2文字だが、忘れた。
中身をほじくり出したら、超小型のサザエみたい。

ゴマサバが来た。
博多の冬はこれがなければ始まらない。
この店は豪快な料理と価格の安さで有名だが、このゴマサバの切り方なんかその代表みたいなもんだ。
超厚切りというか、ぶつ切りというか、たたき切ったというか、乱暴に切っているようだが、食べるとこの厚切りが美味しい。

こんなのどんどん食べ、九州焼酎グビグビ呑みながら、昔の話がどんどん出てきて、誰それが好きだっただの、誰かさんと誰かさんが実は……なんてのが次から次に。
しかしこれだけ昔になったら、もう時効もいいところで、懐かしい漫才みたいなもんだ。
残念ながらあっちに行ってしまったのもあらたに数名判明。
60歳をとっくに過ぎた同志が正式に結婚し、しかもお互い初婚で、東京の土地を売って温かい地方でのんびり悠々自適、なんてほのぼのカップルもいる。うらやましいね〜〜〜
携帯電話の電波が、全国に散っている仲間にあちこち飛ぶ。

30年前に戻っていたら、更に時間は遡り、青春時代に戻ったようだ。
気をつけなければならいのは、初恋の人。
絶対に会ってはいけない。
青少年と乙女は、数十年経つとどうなっているか。
テニスコートで眩しく輝いていたあの子、ラケットとを振ると短いスカートがヒラッと、なんてのを思い出しながら数十年後に会ったらいったいどういうことになるか、よーく考えてみなさい。
電話してもいけない。
声が、しわがれて……
お手紙ならいいかな〜〜〜?

私が大好きな、バーナード・ショー(ノーベル賞文学者)の言葉、

 青春は
  若いやつらにゃ
   もったいない

何をグズグズ書いているのやら、仕事しなくっちゃ!

2010年2月2日火曜日

箱入りマイタケ






浦安は築地市場の出張所みたいな卸売市場があり、いいのを安く売っている。
就職して独立した息子は浦安にアパートを借り、親にブツブツ言われないのんびり生活を楽しんでいる(ようだ)。
週末になると、その市場で魚を買い、ぶら下げて帰ってくる。

今日は、マグロ、アン肝と、段ボール箱が1個。
なんだこの箱は?
開けたら、でっかいマイタケ!
マイタケは結構高いので「幾らだった」と聞いたら「400円」
え〜〜〜!! 安い!!

フライパンでシャキッと炒め、レモン醤油でがつがつと。

アン肝も大きな丸ごと塊が、600円。
料理屋の10人分。
豪華に3人分ぐらいを盛りつけて、これもガツガツ。
飯塚で仕入れてきた柚子コショウが良く合うね〜〜〜