2009年8月16日日曜日

09パリ-08:パリのアフリカ





昨年強く印象に残っているコンサートの一つは、アラン・クレムスキーという、いかにもロシア系のおじいさんが、セーヌ川沿いの40席しかない小さなホールで弾いていた哀愁こもったピアノ。
あのおじいさん、今年もまだやっているかなと、パリに来る前から気になっていたが「パリスコープ」をチェックするとちゃんとやっている。
パリは時間が停まっている街でもある。
今回の曲は、シューベルト、シューマン、ラフマニノフ、リスト等だが、アベマリアを除いて、すべて初めて聴く曲。メカニックな特殊なものばかりだ。
聴衆は十数名ほど。

ロシア軍人を退役し、しかしまだまだ元気で、そのくせちょっと寂しさにじませ、でもセクシーさが残るおじいさんが弾くメランコリックな音にジーンと来。
クレムスキーおじいちゃんは、曲の合間に一言フランス語で何か言っている。
エスプリの効いたコメントなのだろう。

哀愁コンサートが終わって腹減って、帰りがてら、目を付けていたカフェが集まっている広場に行き、一番混んでいる店に入ったら、スタッフはほとんどアフリカ系で明るく愛想いい。
英語はたどたどしいが何とか通じる。
価格は安い。
子供を連れた家族がずいぶん居る。

サラダがアフリカ的魔力フレーバー。
ランプステーキはナイフを入れても歯が立たない。
座り直して、気合いを入れ、ガリガリガリと切り刻み、口に入れたら、硬いのなんのって。
しかし、味は濃い。
硬いので、よく噛むと、野生の味がしみ出てくる。
一切れ30回咀嚼の必要があるな。
ああ、硬くて、美味い!
しかしこんなの日本で出したらクレーム続発だろうな。

バックグランドミュージックは、シャンソン。
パリの演歌聴きながら、アフリカの味。
すっかり満足してアパートに帰る途中、パリ的怠惰な猫に出会った。

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