旧市街中心部の裏通りの小さなレストランのウインドウに日本語のメニューがある。
珍しいなと見ていたら、時間が早くて未だ開店前らしき店内から店主らしきマダムが顔を出し「こんにちわ」と日本語。
ガイドブックには日本びいきのオーナーとの解説。
それならと入り、エビのスターターから始めた。
鮮度の良いエビで、豚肉ばかりだった腹に落ち着く。
メインの中にクエのグリルがある。
クエなんて英語やましてやポルトガル語で書いてあったら絶対にわからない。
日本で高級魚だが、ここでは18ユーロ。
小型のクエで、骨ごとクロスカットしたのをグリルしただけ。
単純というか乱暴というか……
しかし身はちゃんとクエで、白身でなかなか美味しい。
もう一つにタコのリゾット。
タコはとても柔らかくなっている。リゾットというよりもおじやだな。
リスボンのレストランはどこに入っても清潔だ。人もいいし、価格も安く、味素朴。
リスボンはどこに行っても英語で通じるから、覚えて使ったポルトガル語はオブリガード(ありがとう)だけ。
オブリガード・リスボン
そして、サウダーデ。
Wikipediaによるとサウダーデとは「郷愁、憧憬、思慕、切なさ、などの意味合いを持つ、ポルトガル語およびガリシア語の語彙」とあるが、新田次郎と藤原正彦の親子二代にわたって引き継ぎ書かれた「孤愁〈サウダーデ〉」で「孤愁」と書いているのだ。この微妙な感情を理解するためにはこの小説を是非。
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