冬眠に入ります
冬眠に
とうみん……
とう……
と……
ZZZZZzzzzz……
2009年12月25日金曜日
かつお節シリーズ5:ロマンにつながるトレーサビリティ
さて、かつお節の製造は、歩留まり計算のためにトレース出来る仕組みになっているが、これ、そのまま製品のトレーサビリティに出来る。
かつお節を使った削り節製品を作る工場や商店、料理店、一般消費者でも、かつお節を買うとトレーサビリティラベルがついてくるように出来たらどうなるか。
京都のうね乃でかつお節を1本買ったら、
「栄太丸、鹿児島県指宿市山川揚げ、11月25日、協栄鰹節製造」
となる。
これがなんだっていうんだ?
ごまかし、偽装が多い中で、信用になる。
というのは当たり前だが、買う側にとってみれば、味のストーリーにまでなる。
京都のとある料理店で吸い物が出て来る。
蓋を開けたら、野草が入った、これぞ京料理といえるお椀だ。
店主「この野菜は、大原で今朝採ってきました。お出汁は、鹿児島の栄太丸という船が採ってきたカツオを、指宿市山川に揚げ、協栄鰹節が約何日間かけて製造したかつお節を使っています」
そして、かつお節のラベルを見せる。
客は感動し、お椀の味は一桁上の美味しさになる!
そのあと、マツタケの吸い物が出て来た。
「これは?」
「はい、それも同じかつお節です」
「うれしぃ〜〜〜!」
客は、山川という町と、栄太丸が捕獲した、南海を泳ぐカツオを想像し、料理をいただくのです。
かつお節のトレーサビリティは、ロマンだ。
かつお節に関係する皆さん、どうです、やってみませんか?
2009年12月24日木曜日
かつお節シリーズ4:天日干し
農林水産大臣賞を取って、マスコミにもしょっちゅう紹介されている坂井商店に連れて行ってくれた。
かつお節の伝統を守って製造しているところで、最近息子さんの坂井弘明さんが家業を継いで社長になり、次世代にここの最高級かつお節が残ることになった。
素晴らしいことだ。
会長となったおやじさんはうれしそうだ。
工場前の広場に、最高級かつお節が天日干しされている。
この一本一本が小売りで2千円以上する。
今広げられているだけで、幾らになるのかな〜〜〜?
その横に、削り前のが置かれていたが、もちろんここでもトレースラベルはある。
坂井社長が原材料のカツオを見せてくれた。
でっかい! 立派! 力強いカツオだ!
これがあのかつお節になるのだ!
いい仕事だな〜〜〜!!
2009年12月22日火曜日
かつお節シリーズ3:磨き工程
1945年の春から夏にかけ、知覧から飛び立った特攻機は基地の上をいったん回り、翼をひらめかせて別れ、死への操縦桿を南へ向け、左側に開聞岳を見ながら沖縄を目指した。
開聞岳は、ピラミッドを丸くしたような幾何学的な山だが、特攻隊の歴史を知るか知らないかで、この山の見方は大きく変わる。
知れば、この山が近づくにつれて、胸が苦しくなってくる。
この山を左に見ながら、特攻隊員はどんな気持ちだったのだろうか?
優秀な若者1036人を亡くしてしまった戦争……
彼らが生きていたら、どれだけ国に貢献しただろうか……
その開聞岳麓にかつお節の磨き工場がある。
磨きは、グラインダーで残った骨部分や血合いを削って整形する。
削ったクズは骨や脂肪なので、高級な出汁は出ないが、スープにはなるので、ラーメンなどの出汁の原料にする。
国澤さんが削ってくれたのをお土産にくれた。
これはカビ付け前で、カビ付けをしたあとの製品とどう違うのか、家に帰ってみてみよう。
削ったあと、カビ付け庫に入れる。
天気が良いと、外に出し、天日干しをする。
天日干しの最中雨が降ったら台無しになってしまうので、天気予想が大切。
天気予想は、開聞岳の雲や風向きといった独自の見方がある。
2009年12月21日月曜日
かつお節シリーズ2:薪燻し(まきいぶし)
薪が大量に置いてある。
かつお節の燻し工程は、薪時代の工場のようだ。
燻し場所の下に薪をくべる扉があり、開けると、赤く、原始的、幻想的な火が燃えている。
最初強火で燻し、その後場所を移して低温の熟成燻しする。
強火燻し工程の一つで見たトレースラベルは、11月28日の盛秋丸分で、14台分。
階層で燻しているところは、1階が火元、その上に2,3,4階と、次第に上げていく。
機械でやるのでは無い、手で、体で上げるのだ。
大変な仕事だ。
この燻し工程のトレースは、階層、場所ごとに、横の黒板に書いてある。
最初の強火燻ししたのを齧ったら、おいしい料理になっている。
これほぐして熱いご飯にのせ、刻みネギと醤油かけてかっこみたいな〜〜!
燻し終わったのをいったん段ボール箱に入れ、近くにある磨き工場に運ぶ。
もちろんこの段ボール箱にもトレースラベルが付けられている。
箱詰めしていたあら節は「栄太丸」という船で、11月25日、工場番号1021(協栄鰹節)
どこまでもトレースが追いかけて行く。
2009年12月17日木曜日
かつお節シリーズ1:原価計算のトレーサビリティ
京都の料理屋でおいしい出汁にいつも出会っているし、家でもガリガリ削って使っているので、かつお節工場がずっと気になっていた。
京都で出汁製品を扱っている「うね乃」の釆野社長にお願いして、今回は指宿市山川のかつお節工場の視察。
協栄鰹節の国澤浩さんに親切に案内してもらった。
視察して驚いたのは、この工場では原材料のカツオを船から買う。
漁港市場や仲卸から買うのでは無い。
直接船から買う。
買ったカツオはロットごとに下処理し、98℃で加熱し、背側と腹側にフィレにし、燻し、削り、カビ付けをして製品になる。
それぞれの工程で、船、日付などがラベルで判るようにし、最終の箱詰めまで付いて行く。
トレーサビリティが完全なのだ、この工場では。
ところが、なぜトレースが完全に出来るようにしているかというと、牛肉のトレーサビリティのような目的では無く、原価計算のための歩留まり。
船から買ったカツオが、最終製品になるまでの歩留まりがはっきり判らないと、原価計算が出来ない。
これはまた、税務対策にもなっている。このデータを税務署に見せれば、ごまかしていないことが完全に判るというわけだ。
ということで、かつお節にはトレーサビリティラベルは無い、証明書も無い。
寿司屋が築地で買ったキンキやシジミにはあるのに。
2009年12月16日水曜日
鹿児島の魚市場
博多からリレー新幹線「つばめ」で鹿児島中央駅まで2時間半。
学生時代、暇に任せて、札幌から西鹿児島まで急行を乗り継いでいったことがあるが、その頃の西鹿児島はすたれた小さな駅だった。その西鹿児島駅が今では九州新幹線の終点「鹿児島中央駅」で、巨大になり、ショッピングセンターやホテルが併設になり、駅周辺は大型ビルがいっぱい、道路も広くなり、大変な変わり様。
鹿児島で行くのは、時化だと店を開けない居酒屋「魚福」
ここの大将は毎朝魚市場に行って、船から揚がった魚を仕入れて来る。
以前行ったとき食べたキビナゴをまた食べてみたが、とろとろで最高。
こんなちいさいのに脂がいっぱい。ちっちゃなデブ。
翌朝早く起きて、魚市場を見学。
マグロが結構揚がっている。
隅に赤っぽく大きな魚が箱に氷詰めになっている。
マンボウだ。
これの肝がおいしいんだよね〜〜〜
魚市場で朝食食べ過ぎペンギン状態なのでホテルでちょっと休み、いつものレンタカープリウスで更に南下。
知覧の特攻平和会館で戦争の無残さと人間のアホさをしみじみ考え、
2007年、紅茶の品評会、英国(グレート・テースト・アワード)で金賞を受賞した「薩摩英国館」で、紅茶の作り方を田中館長から愉しく聞き、
武家屋敷を散策し、
整った知覧という街の清潔さにすっかり魅了され、
かつお節と温泉の町、指宿市山川に夕日とともに着。
ガソリン代480円也。
エコ対応やるの気持ちいい。
2009年12月15日火曜日
2009年12月14日月曜日
2009年12月11日金曜日
寿司屋のトレーサビリティ
博多から帰った翌日から、三日間のHACCPリーダーセミナーが品川の大井町である。
このセミナーでは近くのホテルに泊まり、いつもの寿司屋に行く。
「すし処さいしょ」
この寿司屋は毎朝築地に魚を仕入れに行く。
毎朝行くのなんて寿司屋なら当たり前、と思うかもしれないが、電話注文で築地に行かない店は実は大半だ。体も楽だし。
大将に「偉いね〜〜」と言ったら「うちみたいな小さな店でいい魚を揃えようと思ったら、河岸に行って少しずつ魚を買うしかないんです」と、謙遜。
店に行くといつも今日の魚がホワイトボードに書いてある。
今日は何があると見たらキンキを発見。
キンキ高いが、今日は3人居るので、一匹奪い合って焼いてもらおうかと言ったら「一匹しかないんです」
即注文したら「こんなのが着いてくるんですよ」と出してきたのは小さなラベルで、船の名前が書いてあるトレーサビリティラベル。知床の宇登呂に上がり、航空便で築地に運んだ魚の証明だ。
一緒に、明石の鯛、小川原湖のシジミの証明も見せてくれた。
大将「最近ごまかしが多いので、こういうのがあると安心して買えます」
2009年12月10日木曜日
2009年12月8日火曜日
2009年12月7日月曜日
2009年12月4日金曜日
生のコノワタ加熱のイクラ
2009年12月1日火曜日
ボージョレヌーボー
今年のボージョレヌーボーは、20年ぶりとか、50年ぶりとかいう評価だが、大げさなんじゃないかと、とりあえず飲んでみようか。
買っておいてと頼んでおいた盛岡の「横綱寿司」に行ったら「採りたてです」と、とろとろの茸が出てきた。
「これも最高」と、寒ブリの刺し身。
そんなところにボージョレヌーボーのビラージュと、見たことない薬瓶みたいなボトルに入った「Le Tot」と、2種類持ってきた。
「どっちにします?」
「Le Tot」はビラージュと比べて安いのか高いのかと聞いたら、こっちの方がずっと安いという。
ワインのグレードは価格に比例するものだが、見たことないのはやっぱり飲みたいから、安くて珍しいのにした。
20年ぶりになるのかどうか知らないが、これはいい出来だ。
ヌーボーは、新酒を味わうために、普通のワインの製造とは違う方法で造る。
だから、ヌーボーを寝かしておいても何にもならない。すぐ飲んじゃう。
ヌーボーは、普通に製造するワインがどうなるかの指標になる。
さて、これだけヌーボーがいいと、普通に詰めるワインはどうなるのかな?
かえって熟成早いのかな?
そうではなく、ヌーボーの出来に比例して素晴らしくなるのかな?